n8nでAIエージェントを構築!AI連携で自律型自動化を実現!
n8nってAIエージェント作れるの?どうやって作るの?
プログラミングできないんだけど、それでもAI使った自動化ってできるもんなの?
ChatGPTとかClaudeをn8nで使うと具体的に何ができるようになるの?
ノーコード・ローコードでワークフロー自動化を実現できるn8nが、AIエージェント構築のプラットフォームとして注目を集めています。ChatGPTやClaudeなどの最先端AIモデルと連携することで、単純な自動化を超えた自律的な判断・処理を行うシステムの構築が可能になりました。
しかし、実際にn8nでAIエージェントを作るにはどのような手順が必要なのか、どんなノードを使えばいいのか、プログラミング知識がなくても本当に構築できるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、n8nでAIエージェントを構築できる理由から、具体的な構築手順、実践的な活用例、さらには運用時の注意点まで、初心者でも理解できるよう体系的に解説していきます。
- n8nでAIエージェントを構築できる理由と基本的な仕組みがわかる
- ChatGPTやClaudeを使った実践的なAIワークフローの作り方がわかる
- ビジネスで使える具体的な活用例と運用時の注意点がわかる
n8nでAIエージェントを構築できる理由

n8nは、ノーコード・ローコードのワークフロー自動化ツールでありながら、AIエージェントの構築に最適な環境を提供しています。従来のRPAツールとは異なり、AI APIとの柔軟な連携や複雑なロジック処理が可能なため、単なる自動化を超えた「自律的な判断」を行うシステムを作れるのです。
ここからは、n8nがAIエージェント構築に向いている理由について解説します。
それぞれ詳しく解説していきます。
ノーコードでAPI連携・制御が可能
n8nの最大の強みは、プログラミング知識がなくてもAPI連携を視覚的に構築できる点にあります。
通常、AIエージェントを開発するにはPythonやJavaScriptでコードを書く必要がありますが、n8nではドラッグ&ドロップでノードを配置するだけで複雑なワークフローを組み立てられます。各ノードには認証情報やパラメータを設定する画面が用意されており、API仕様書を読み込んで手動でHTTPリクエストを組む必要がないのが特徴です。
さらに、エラーハンドリングや条件分岐、データ変換なども標準機能として備わっているため、堅牢なシステムを短時間で構築できるでしょう。OpenAI APIやAnthropic APIなどの主要なAIサービスには専用ノードも用意されており、初心者でも迷わず設定できます。
この手軽さが、エンジニア以外のビジネスパーソンや個人開発者にも支持される理由となっているのです。
ChatGPTやClaudeなどのAIモデルと接続可能
n8nは、市場に存在する主要なAIモデルのほぼすべてに対応しています。
OpenAIのGPT-4やGPT-4o、AnthropicのClaude、GoogleのGeminiなど、最先端のLLM(大規模言語モデル)を自由に組み合わせて使えるのが大きなメリットです。
それぞれのAIモデルには得意分野があり、たとえばGPT-4は汎用性が高く、Claudeは長文の理解や倫理的な応答に優れています。n8nでは同一ワークフロー内で複数のAIモデルを使い分けることも可能で、タスクに応じて最適なモデルを選択できるのです。
さらに、Hugging Faceなどのオープンソースモデルや、自社で構築したカスタムAI APIとも連携できます。
この柔軟性により、コストと性能のバランスを取りながら、ビジネスニーズに最適化されたAIエージェントを実現できるでしょう。
条件分岐やループ処理で自律的な判断ができる
単にAI APIを呼び出すだけでなく、複雑なロジックを組み込める点がn8nでAIエージェントを構築する最大の利点です。
IFノードを使った条件分岐により、AIの応答内容に応じて処理フローを動的に変更できます。たとえば、顧客からの問い合わせ内容を分類し、緊急度が高い場合は即座に担当者に通知、一般的な質問はAIが自動回答といった振り分けが可能です。
Loopノードを活用すれば、データベース内の複数レコードを順次処理したり、AIの回答が満足いくまで再試行させたりといった反復処理も実装できるでしょう。さらに、変数の保持や外部データベースとの連携により、過去のやり取りを記憶する「ステートフル」なAIエージェントも構築可能です。
このような高度な制御機能により、単なる「質問応答ボット」ではなく、状況に応じて自律的に判断・行動するエージェントを実現できます。
AIエージェントの基本構成

AIエージェントは、入力を受け取り、AIで処理し、結果を出力するという基本的な流れで動作します。n8nでこの仕組みを実装する際には、ワークフローの設計思想を理解しておくことが重要です。
ここからは、AIエージェントを構成する要素について解説します。
それぞれ詳しく解説していきます。
トリガー・AI処理・アクションの3要素
AIエージェントの基本構造は「トリガー」「AI処理」「アクション」の3つの要素で構成されます。トリガーは、ワークフローを起動するきっかけとなる入力で、Webhookやスケジュール実行、メール受信、Slackメッセージなどが該当します。
たとえば、顧客からのメールが届いたタイミングでワークフローを開始する、毎朝9時に自動でレポートを生成するといった設定が可能です。
AI処理の部分では、OpenAIノードやClaudeノードを使ってテキストの生成、分類、要約などを実行します。ここでプロンプトを適切に設計することで、AIの出力品質が大きく変わってくるでしょう。
アクションは処理結果の出力先で、Slackへの投稿、データベースへの保存、メール送信、API呼び出しなどが選択できます。
この3要素を組み合わせることで「問い合わせメールを受信→AIが内容を分析→適切な返信を自動送信」といった一連の自動化フローが完成するのです。
入出力データのフロー設計
AIエージェントを効果的に動作させるには、データがどのように流れ、変換されていくかを設計する必要があります。
n8nでは各ノードが前のノードからデータを受け取り、処理を加えて次のノードへ渡すという仕組みで動作するのです。
たとえば、Webhookで受け取ったJSON形式のデータを抽出し、AIノードに渡すテキストとして整形し、AIの応答を再びJSON形式に変換して保存するといった流れを作ります。
この際、Set ノードやFunction ノードを使ってデータ変換を行うことで、各サービス間でのデータ形式の違いを吸収できるでしょう。入力データには不要な情報が含まれていることも多いため、必要な部分だけを抽出してAIに渡すことでトークン消費を削減できます。
また、AIの出力をそのまま使うのではなく、フォーマットを整えたり、特定の情報だけを抽出したりする後処理も重要です。データフローを可視化しながら設計できるのがn8nの強みであり、試行錯誤しやすい環境が整っています。
状態管理(メモリ)と応答の最適化
より高度なAIエージェントを構築するには、過去のやり取りや処理状態を記憶する仕組みが不可欠です。
n8nでは、外部データベース(PostgreSQL、MySQLなど)やRedis、スプレッドシートなどと連携して状態を保存できます。たとえば、チャットボットであれば会話履歴を保存しておき、次回のAI処理時にコンテキストとして渡すことで、より自然な対話が実現可能です。
状態管理により「前回の問い合わせ内容を覚えている」「ユーザーごとに異なる応答をする」といった個別対応ができるようになるでしょう。
応答の最適化には、AIへのプロンプトに過去の成功事例やユーザー情報を含めたり、頻繁に使う応答をキャッシュしたりする工夫が効果的です。さらに、AIの応答時間を短縮するため、並列処理やストリーミング応答を活用する方法もあります。
これらの技術を組み合わせることで、単発の処理ではなく、継続的に学習・改善していくAIエージェントを構築できるのです。
n8nでAIエージェントを作る手順

実際にn8nでAIエージェントを構築する際の具体的な手順を見ていきましょう。基本的な流れを理解すれば、さまざまなユースケースに応用できるようになります。
ここからは、シンプルなAIエージェントを作る3ステップを紹介します。
- ステップ1:トリガー(入力)を設定
- ステップ2:AIノード(ChatGPTやClaude)を追加
- ステップ3:アクション(出力)を定義して完結
それぞれ詳しく解説していきます。
ステップ1:トリガー(入力)を設定
まず、ワークフローを起動するトリガーノードを配置することから始めます。
n8nのエディタ画面で「+」ボタンをクリックし、トリガーカテゴリから用途に合ったトリガーを選択してください。最も汎用的なのはWebhookトリガーで、外部システムからHTTP POSTリクエストを受け付けられます。
SlackやDiscordでボットを作る場合は、各サービスの専用トリガーノードを使うとメッセージ受信を簡単に検知できるでしょう。定期実行が必要な場合は、Schedule Triggerを使って毎日・毎時などのタイミングでワークフローを自動起動できます。
メールを監視してAI処理を行う場合は、IMAP EmailトリガーやGmail Triggerを設定すれば、新着メールが届いた瞬間にワークフローが動き出すのです。
トリガーの設定画面では、認証情報の登録や条件の指定を行い、テスト実行で正しく動作するか確認しましょう。
ステップ2:AIノード(ChatGPTやClaude)を追加
トリガーの次に、AIによる処理を実行するノードを接続します。
OpenAI ChatノードまたはClaude Chatノードを追加し、API認証情報を設定することから始めてください。
OpenAI APIキーやAnthropic APIキーは、各サービスの公式サイトから取得し、n8nの認証情報管理画面に登録します。ノードの設定画面では、使用するモデル(GPT-4、Claude 3 Opusなど)を選び、プロンプトを記述していきます。
プロンプトには前のノードから受け取ったデータを動的に埋め込むことができ、{{ $json.content }}のような記法で変数を参照可能です。温度(Temperature)やトークン数の上限などのパラメータも調整することで、AIの応答スタイルをコントロールできるでしょう。
設定が完了したら「Test step」ボタンで実行し、期待通りの応答が得られるか確認してから次のステップに進みます。
ステップ3:アクション(出力)を定義して完結
最後に、AIの処理結果をどこに出力するかを定義します。AIノードの後ろに、目的に応じたアクションノードを接続してワークフローを完成させましょう。
Slackに投稿する場合はSlack Sendノード、メール返信ならGmailやSend Emailノードを使います。データベースに保存する場合は、PostgreSQLノードやMySQL ノードで、AIの応答結果とメタデータを構造化して格納できます。
Google スプレッドシートに記録したい場合は、Google Sheets ノードを使って行を追加する設定を行ってください。複数のアクションを同時に実行したい場合は、ノードを並列に配置することで、たとえば「Slackに通知しつつデータベースにも保存」といった処理が可能です。
すべてのノードを接続したら、ワークフロー全体をテスト実行し、エラーがないことを確認してからアクティブ化すれば、AIエージェントの完成となります。
n8nで使えるAIノードの種類

n8nにはさまざまなAIサービスと連携できる専用ノードが用意されています。それぞれのノードには特徴があり、用途に応じて使い分けることが重要です。
ここからは、主要なAIノードについて紹介します。
それぞれ詳しく解説していきます。
OpenAIノード(GPT-4/GPT-4o対応)
OpenAIノードは、n8nで最も広く使われているAI連携ノードの一つです。
GPT-4やGPT-4oといった最新モデルに対応しており、テキスト生成、会話、画像認識(Vision)、音声認識(Whisper)など多彩な機能を利用できます。
チャット形式での対話にはChat Modelオプションを選択し、システムメッセージとユーザーメッセージを構成することで、AIの役割や応答スタイルを制御可能です。関数呼び出し(Function Calling)機能を使えば、AIが判断して特定のAPI実行を提案してくれるため、より高度なエージェント動作を実現できるでしょう。
画像を含む入力データを処理する場合は、GPT-4 VisionまたはGPT-4oを選択することで、画像の内容を理解して説明文を生成したり、OCR的な処理を行ったりできます。トークン数の制限や料金体系を考慮しながらモデルを選ぶことが、コスト効率の良いAIエージェント運用のポイントです。
n8nのOpenAIノードは定期的にアップデートされ、最新のAPI機能にも対応しているため、常に先進的なAI機能を活用できます。
Claudeノード(Anthropic API対応)
Claudeノードは、Anthropic社が提供するClaude AIモデルと連携するためのノードです。
Claude 3シリーズ(Opus、Sonnet、Haiku)に対応しており、長文の理解力と倫理的な応答品質に優れているのが特徴となります。特に、複雑な指示の理解や、ニュアンスを含む日本語の処理において高いパフォーマンスを発揮するでしょう。
n8nのClaudeノードでは、システムプロンプトとユーザーメッセージを分けて設定でき、AIの振る舞いを細かくコントロールできます。
Claude 3 Opusは最も高性能なモデルで、難易度の高い推論や創造的なタスクに適しており、Sonnetはバランス型、Haikuは高速・低コストな選択肢です。コンテキストウィンドウが大きいため、長い文書を丸ごと入力して要約や分析を行うといった用途にも向いています。
APIキーの取得はAnthropic Consoleから行い、n8nの認証情報として登録することで、OpenAIと同様に簡単に利用開始できるのです。
その他AI連携(Gemini・Hugging Faceなど)
OpenAIやClaude以外にも、n8nでは多様なAIサービスとの連携が可能です。
GoogleのGemini APIを使う場合は、HTTP Requestノードを使ってAPIエンドポイントに直接リクエストを送信する方法が一般的でしょう。Gemini Proはマルチモーダル対応で画像とテキストを同時に処理できるため、視覚情報を含む分析タスクに活用できます。
Hugging Faceは、数千種類のオープンソースAIモデルを提供しているプラットフォームで、n8nからInference APIを通じて利用可能です。
感情分析、固有表現抽出、テキスト分類など、特定タスクに特化したモデルを選べるのが強みとなります。自社でファインチューニングしたカスタムモデルをHugging Faceにデプロイし、n8nから呼び出すことも可能です。
また、Azure OpenAI ServiceやAWS Bedrock、Cohere、Anthropicなど、エンタープライズ向けAIサービスとも連携でき、セキュリティ要件が厳しい環境でも安心して利用できるでしょう。
n8nのAIエージェントの実践例

理論だけでなく、実際にどのようなAIエージェントを作れるのか具体例を見ていきましょう。ビジネスシーンでよく使われる3つのユースケースを紹介します。
ここからは、すぐに応用できる実践的なワークフロー例を解説します。
それぞれ詳しく解説していきます。
問い合わせメールの自動返信AI
カスタマーサポートの効率化に役立つのが、メール問い合わせへの自動返信システムです。
Gmail TriggerまたはIMAP Emailトリガーで新着メールを検知し、AIが内容を理解して適切な返信文を生成する仕組みを構築できます。
まず、受信したメールの本文を抽出し、OpenAIノードに渡してカテゴリ分類と感情分析を実行させます。「商品に関する質問」「配送状況の確認」「クレーム」などに分類し、緊急度も判定することで、対応の優先順位を決められるでしょう。
一般的な質問であればAIが自動生成した返信文をそのまま送信し、複雑な問題や高優先度の案件は人間の担当者に通知を送る条件分岐を設定します。返信メールには会社のトーンに合わせたテンプレートを使い、AIが空欄部分を埋める形式にすることで、ブランドイメージを保ちながら自動化できるのです。
さらに、すべてのやり取りをスプレッドシートやデータベースに記録することで、後から対応履歴を確認したり、AI応答の品質を改善したりできます。
文章要約・分類を行うAIワークフロー
大量のドキュメントやニュース記事を効率的に処理するために、要約と分類を自動化できます。
RSS FeedトリガーやWebhookで記事のURLやテキストを受け取り、AIに要約と主要キーワードの抽出を依頼するワークフローを構築しましょう。
GPT-4やClaudeに「この記事を3行で要約し、カテゴリ(ビジネス、テクノロジー、エンタメなど)を判定してください」といったプロンプトを送ります。AIの応答はJSON形式で返してもらうよう指示することで、後続のノードでデータを扱いやすくなるでしょう。
分類結果に応じて、NotionやAirtableなど適切なデータベースの該当カテゴリに記事情報を保存します。さらに、特定のキーワードを含む記事が見つかった場合のみSlackに通知する条件を追加すれば、重要情報を見逃さずキャッチアップ可能です。
このワークフローは、ニュース監視、競合調査、社内ナレッジ管理など幅広い用途に応用でき、情報収集の効率を劇的に向上させられます。
Slackで自動応答するAIチャットボット
社内コミュニケーションを効率化するSlack連携のAIチャットボットも人気の高いユースケースです。
Slack Triggerで特定のチャンネルへのメンション、またはDMを検知し、AIが質問内容を理解して回答を生成します。よくある質問(FAQ)への対応を自動化することで、人事や情報システム部門の問い合わせ対応負担を大幅に削減できるでしょう。
たとえば「経費精算の方法は?」「VPNの設定手順は?」といった定型的な質問に対し、社内ドキュメントから情報を引用してAIが回答します。
Vector Storeノードを使って社内マニュアルをベクトル化しておけば、RAG(Retrieval-Augmented Generation)方式で正確な情報を参照しながら回答生成が可能です。AIが回答できない複雑な質問の場合は、担当者にエスカレーションする仕組みも組み込めます。
会話履歴をデータベースに保存することで、コンテキストを保持した連続的な対話も実現でき、より自然なコミュニケーションが可能になるのです。
n8nのAIエージェントの注意点と対策

AIエージェントを本番環境で運用する際には、いくつかの注意点があります。トラブルを未然に防ぎ、安全に運用するためのポイントを押さえておきましょう。
ここからは、よくある問題とその対策方法を紹介します。
それぞれ詳しく解説していきます。
無限ループ・過剰API呼び出しの防止
AIエージェントで最も注意すべきなのが、意図しない無限ループによる過剰なAPI呼び出しです。たとえば、AIの出力が次のトリガーとなり、それがまたAI呼び出しを発生させるような設計では、制御不能な連鎖が起こる可能性があります。
n8nでは、Loop Overノードに最大反復回数を設定したり、条件ノードで処理回数をカウントして上限を設けたりすることで対策できるでしょう。また、レート制限(Rate Limiting)機能を使って、一定時間内のワークフロー実行回数を制限することも有効です。
API呼び出しの料金は従量課金制が多いため、予期せぬ大量実行は高額請求につながる危険性があります。
OpenAIやAnthropicのダッシュボードで使用量アラートを設定し、月間予算を超えそうになったら通知を受け取る仕組みも併用しましょう。さらに、開発段階では本番環境とは別のAPIキーを使用し、テスト実行が本番データに影響しないよう環境を分離することが重要です。
入力データのセキュリティ管理
AIエージェントには、顧客情報や機密データが入力される可能性があるため、セキュリティ対策は必須です。
Webhookトリガーを使う場合は、認証トークンや署名検証を必ず設定し、不正なリクエストを拒否する仕組みを導入しましょう。個人情報や機密情報をAI APIに送信する前に、マスキングやハッシュ化などの前処理を行うことで、データ漏洩リスクを低減できます。
n8nの認証情報は暗号化されて保存されますが、それでもAPIキーの管理は慎重に行い、定期的なローテーションを実施すべきです。
クラウド版のn8n Cloudを使う場合は、アクセス権限の設定を厳格にし、必要最小限のメンバーのみがワークフローを編集できるようにしてください。セルフホスト版を運用する場合は、HTTPS通信の徹底、ファイアウォール設定、定期的なセキュリティアップデートが不可欠となります。
また、AIの学習データに自社データが使われないよう、OpenAIのAPI利用規約を確認し、必要に応じてオプトアウト設定を行いましょう。
モデル出力の検証とフィルタリング
AIは非常に有用ですが、誤った情報や不適切な内容を出力する可能性があることを認識しておく必要があります。特に、顧客対応や公開情報への利用では、AIの出力をそのまま使うのではなく、必ず検証プロセスを挟むべきです。
n8nでは、IF ノードを使ってAIの応答に特定のキーワードが含まれていないかチェックし、不適切な内容があれば人間のレビューに回すフローを構築できます。また、複数のAIモデルに同じ質問をさせて結果を比較し、一致度が低い場合は要確認とする相互検証の仕組みも有効でしょう。
重要な判断を伴うタスクでは、AIは情報提供や下書き作成に留め、最終決定は人間が行うというハイブリッドアプローチが推奨されます。出力内容をログとして保存し、定期的にレビューすることで、AIの精度や傾向を把握し、プロンプトの改善につなげられるのです。
こうした検証とフィルタリングの仕組みを組み込むことで、AIエージェントを安全かつ効果的に活用できます。
まとめ
n8nを使えば、プログラミング知識がなくても高度なAIエージェントを構築できます。OpenAIやClaudeなどの最先端AIモデルと柔軟に連携し、ビジネスプロセスの自動化と効率化を実現可能です。
トリガー・AI処理・アクションの3要素を理解し、適切なノードを組み合わせることで、問い合わせ対応からデータ分析まで幅広いタスクを自動化できるでしょう。実践にあたっては、無限ループの防止やセキュリティ管理、出力検証といった注意点にも配慮が必要です。
n8nのビジュアルなワークフローエディタを活用して、あなたのビジネスに最適なAIエージェントを構築してみてください。
