AIエージェントとは?事例を交えて初心者にもわかりやすく解説

AIエージェントって何?
生成AIとは何が違うの?
どんなことができるんだろう?

あらゆる作業を自動でこなす利便性の高いツールとして注目を集めるAIエージェント。ただ、言葉を見聞きする機会は増えたものの、実際にどんなものなのかイメージが湧かない人は多いですよね。

そこで本記事では主な用途も交え、AIエージェントの特徴をわかりやすく解説します。「AIエージェントは使うべきなのか」といった疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • AIエージェントは、手間のかかる定型作業の自動化が可能
  • AIエージェントと生成AIの大きな違いは「目的達成まで自律的に動けるかどうか」
  • AIエージェントには、誤回答や個人情報流出という注意点もある

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目次

AIエージェントとは?

AIエージェントとは?

AIエージェントとは、与えられた目標に向かって自律的に判断し、必要な行動を実行してくれるAIのことです。単に情報を返すだけのチャット型AIとは異なり、目的達成のために最適な手段を選び、複数のタスクを連携させて進めるのが大きな特徴です。

日常業務の自動化や家庭内のスケジュール管理など、身近な場面でも活用が広がりつつあります。

なぜ今注目されているのか?

AIエージェントが注目されている最大の理由は「人の代わりに自律的に作業を進める能力」があるからです。

これまでのAIは、人間が命令を出すたびに反応するものが主流でした。しかしAIエージェントは、一度ゴールを設定すれば自分でタスクを分解し、必要な情報を集めて判断しながら作業を進めてくれます。

業務効率化や作業負担の軽減が期待できるため、企業はもちろん、個人の生活の中でも活用されはじめています。将来的には「ひとりにひとつのAIエージェント」が当たり前になるのではないでしょうか。

生成AIとの違い

AIエージェントと生成AIの大きな違いは「目的達成まで自律的に動けるかどうか」です。

生成AIは、与えられた問いに対して回答を生成するのが主な役割です。一方でAIエージェントは「目的」を伝えればそれに必要な行動を自ら考えて判断し、複数の作業を実行します。

たとえば「旅行の計画を立てて」と依頼したとき、生成AIはスポット情報を教えてくれますが、AIエージェントはホテル・交通・観光地を自動で組み合わせ、予定表を作成してくれます。

単なる目的地情報の提供にとどまらず「目的達成に必要な情報の提示」まで担うのが大きな違いです。AIエージェントと生成AIの違いをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

専門知識がなくても活用可能

AIエージェントは、専門知識がなくても活用できます。深く考える必要はなく、自然な言葉で目的を伝えるだけで、あとは自動的に動いてくれる設計になっているからです。

たとえば「レポートを作って」と指示すれば、情報を集めて構成を考え、文章まで作成してくれます。もちろん細かく指定すればより精度の高い結果が得られますが、最初からすべてを理解している必要はありません。

初心者でも「試してみる」ことで、その便利さを実感できるはずです。まずは気軽に触ってみてください。

AIエージェントの特徴3つ

AIエージェントの特徴3つ

ここからはAIエージェントの特徴を、3つにまとめて紹介します。

自律的に要望を実行してくれる

AIエージェントの最大の特徴は、自律的に作業を進めてくれる点です。

ユーザーが「目的」だけを伝えれば、AIが自ら考えて必要な手順を組み立てます。そして情報収集や分析、実行までを自動で進めてくれます。

たとえば「引っ越しの準備をしたい」と入力すると、住所変更・荷造り・業者の手配といった作業を細かく分けて、順にこなしてくれるのです。指示を出すたびに手が止まる従来型AIとは異なり「考えて動く」ことができるのが大きな魅力といえます。

インターネットにつながっている

AIエージェントは、インターネットに接続されていることで、幅広い外部情報やサービスと連携できます。

たとえば、Web検索で最新情報を集めたり、カレンダーやメールと連動して予定を管理したりといった応用が可能です。

天気情報や交通状況、ショッピングサイトのデータなども取得できるため、日常生活や趣味の場面でも活躍してくれます。外部サービスとつながっているからこそ「天気を調べて服装を提案する」「カレンダーに予定を登録する」といった、実際の生活や仕事に直結する行動ができるのです。

使うごとに学習する

AIエージェントは、使えば使うほど賢くなる特徴を持っています。

一度実行した作業や過去のやり取りをもとに、次回以降の行動を最適化していくことができるのです。

たとえば、同じような依頼を繰り返すとAIエージェントはあなたの好みや手順を学習し、より効率的で的確な対応をしてくれるようになります。つまり、最初は「道具」だった存在が、だんだんと「パートナー」に近づいていくイメージです。

AIエージェントの主な用途4つ

AIエージェントの主な用途4つ

ここからはAIエージェントの主な用途を、4つにまとめて解説します。

作業の自動化

AIエージェントは、繰り返し発生する作業を自動でこなしてくれます。ルールや手順が明確なタスクであれば、人間の手を借りずに実行できるのが強みです。

たとえば、フォルダの整理・ファイルのリネーム・定期メールの作成と送信・SNS投稿の下書きなどは、一度設定すれば日々の負担を大きく減らせます。パソコン操作が苦手な人でも、自然な言葉で指示するだけで対応してくれるのはうれしいポイントです。

面倒な作業をエージェントに任せることで、本当にやりたいことや集中すべき業務に力を注げるようになります。

予定の整理・管理

AIエージェントは、予定の調整やスケジュール管理も得意分野です。人の代わりに予定を確認し、重複や抜けを自動で調整してくれます。

たとえば「今週中に買い物と通院をしたい」と伝えると、カレンダーの空き状況から候補日を出し、必要なら予約も代行してくれます。さらに、リマインドや天気との連動も可能で「今日は傘が必要です」といった通知も設定できます。

予定を、ただ記録するだけでなく、先回りして整えてくれるのがAIエージェントならではの魅力です。

情報収集

目的に合った情報を、必要な形式で自動的に集めてくれるのがAIエージェントの強みです。検索キーワードを考えたり、複数サイトを比較する手間が不要になります。

たとえば「近くの安い美容室を探して」と依頼すれば、価格・営業時間・口コミをもとに候補をリスト化し、違いを比較できるように整理してくれます。ニュース・レビュー・統計情報など幅広く対応でき、出典を明記することも可能です。

調べ物にかけていた時間と労力を一気に短縮できるので、普段から情報収集が負担になっていた人には特におすすめです。

レポート作成

AIエージェントは、集めた情報を整理し、文書化する作業も得意です。要点をまとめる力があるため、資料作成や振り返りに大きな効果を発揮します。

たとえば「今月の支出をまとめて」と指示すれば、支出カテゴリごとの集計を行い、グラフ付きの簡潔なレポートを作成してくれます。また、議事録の作成や学習記録の整理など、プライベート以外でも広く活用できます。

データをまとめて言語化するという面倒な工程を代行してくれるため、レポート作業のハードルがぐっと下がります。

AIエージェントを使う3つのメリット

AIエージェントを使う3つのメリット

ここからはAIエージェントを使うメリットを、3つにまとめて解説します。

メリット1:定型作業を代行できる

前述しましたが、AIエージェントは定型作業を自動でこなしてくれます。この特徴により、毎日のタスクに追われていた時間を大幅に短縮できるようになります。

たとえば決まったフォルダへのファイル整理やSNSへの定期投稿、メールのテンプレート送信など、特に頭を使わない繰り返し作業をまるごと任せることが可能です。AIエージェントはこうした作業の流れを学習し、同じことを何度も実行できるので、1度覚えさせればほとんど手間がかかりません。

本来自分がやるべきことに集中したい人にとって、定型作業の自動化は非常に価値のある機能といえるでしょう。時間と集中力の無駄を省き、やりたいことに注力できるようになるのです。

メリット2:24時間いつでも動作可能

AIエージェントは、時間帯に関係なくいつでも働いてくれます。人間のように「休憩」や「睡眠」を必要としないため、夜中でも早朝でも、思い立ったときにすぐに指示が出せるのがメリットです。

たとえば、夜中にふと思いついた予定を登録したり出先で空き時間にレポート作成を依頼したりと、時間の制約に縛られずに行動できます。また、アラート通知や定期実行も可能なため「忘れずに」「正確に」動いてくれるのも強みです。

忙しい日々の中でも、自分の都合に合わせて柔軟に使えるのは、AIエージェントならではの魅力です。いつでも使えるという安心感が、生活全体をスムーズにしてくれます。

メリット3:やるべきことを自動で整理してくれる

AIエージェントは、目的を伝えるだけでタスクの段取りを自動で考えてくれます。「何をすればいいかわからない」「行動の優先順位が決まらない」といった状況でも、AIが手順を整理し、順序立てて実行してくれるのです。

たとえば「部屋を借りたい」と伝えるだけで、物件探し→見学予約→必要書類の準備までをインターネットで情報収集しながら自動的に進めるよう設計できます。行動の途中で詰まってしまう人にとって、AIがアドバイザーとして横にいてくれる安心感はとても大きいものです。

タスクの整理と進行を代わってくれることで「やりたいのに動けない」という状態から一歩踏み出せるようになります。

AIエージェントを使う3つのデメリット

AIエージェントを使う3つのデメリット

メリットに続き、ここからはAIエージェントを使うデメリットを、3つにまとめて解説します。

デメリット1:操作に慣れるまで使いこなすのが難しい

操作に慣れるまで使いこなすのが難しい点は、AIエージェントのデメリットといえます。複雑な目的に対して使用する場合、ある程度の「慣れ」や「試行錯誤」が必要な点はデメリットといえるでしょう。

たとえば、どのように目的を伝えれば意図通りに動くかを学ぶまでには、何度か失敗することもあります。プロンプト(指示文)の工夫や、AIエージェントの特徴を把握するための時間が最初はかかるかもしれません。

しかし、いちど要領をつかめば格段に使いやすくなります。最初のちょっとした学習コストを乗り越えることが、AIエージェントを活用する第一歩です。

デメリット2:誤回答のリスクがある

AIエージェントは万能ではなく、誤った情報や判断をしてしまうデメリットがあります。特に情報収集や推論の場面では、間違った前提に基づいて処理を進めてしまうケースもあります。

たとえば「解約手続きに対するご案内」や「製品スペックに対するご回答」といった人間の感情に絡むものは、顧客からのクレームに繋がる可能性が高いです。自律的に行動できるという長所が裏目に出ることもあるため、最終的な確認は人が行う必要があります。

AIにすべてを任せるのではなく、重要な部分の確認は必ず人間が行う意識を持ちましょう。

デメリット3:個人情報が流出する可能性

AIエージェントに個人情報を入力することで、情報漏洩のリスクが生じます。インターネット経由で動作するサービスの場合、セキュリティへの配慮が欠かせません。

たとえば、氏名・住所・クレジットカード番号などを扱う作業をAIエージェントに任せた場合、通信経路や保存先に不備があれば情報が外部に漏れる危険性もあります。最低でも、以下の2点は必ず守りましょう。

  • 通信は必ず暗号化する(HTTPS(※1)対応)
  • 入力する情報は匿名化する

情報の扱いには慎重さが求められます。

※1:Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化するプロトコルです。これにより、個人情報やクレジットカード情報などの機密データを安全にやり取りできます。

AIエージェントは使うべき?

日々のタスクを効率化したい人には、AIエージェントの活用がおすすめです。

面倒な定型作業や予定の管理、情報収集などを自動でこなしてくれるため、作業効率が大きく向上するからです。「日々の予定に追われて情報が整理できない」「調べ物が苦手」「同じ作業を何度も繰り返している」などの悩みを抱えている人には、大きな助けとなります。

たとえば「毎朝その日の予定を整理してくれる」「メールの内容を要約して通知してくれる」「料理レシピを提案しながら買い物リストを作成してくれる」など、日常の中でも使える場面は豊富です。

導入を迷っている人は「今日やるべきことを整理してもらう」「週末の予定をまとめてもらう」などの簡単な使い方から始めれば、少しずつその便利さを実感できます。また、有料サービスにいきなり課金せず無料プランやお試し版を使うことで、リスクを抑えて導入判断が可能です。

なお、下の記事では選び方も交えおすすめのAIエージェントを詳しく紹介しているので、よければ参考にしてください。

AIエージェントの主な種類

AIエージェントの主な種類

AIエージェントには、目的や動作原理に応じていくつかのタイプがあります。ここでは代表的な5種類を取り上げ、それぞれの特徴や適した用途を紹介します。

種類特徴
反応型決められた規則と条件に従って反応する
モデルベース型今の状況をモデル化し、その情報をもとに行動する
目標ベース型明確な目標に向けて行動を計画する目的重視型
ユーティリティ型「もっとも効率が良い」と判断される行動を選んで実行
学習型使うたびに行動パターンを最適化して賢くなる

反応型

反応型エージェントは、最もシンプルな仕組みを持つAIエージェントです。あらかじめ決められた規則と条件にしたがって即座に反応する特徴を持ちます。

Siri」や「Googleアシスタント」などが代表例で、話しかけるとそれに応じた返答や操作を行ってくれます。天気を聞いたり、目覚ましを設定したりと、指示に対して瞬時に対応する点が特徴です。ただし、自分から行動を起こすことはなく、あくまで「受け身」のAIといえます。

簡単な使い方から始めたい人にとって、導入しやすいタイプです。

モデルベース型

モデルベース型エージェントは「今どんな状況か」を頭の中で再現(モデル化)し、その情報をもとにして行動を選ぶタイプです。現実の世界を仮想的に再現し、その中で最適な行動を選ぶのが特徴です。

たとえばルンバのようなお掃除ロボットは、部屋の形や障害物をモデル化し、それをもとに最適な掃除ルートを計算します。これにより、毎回同じ動きではなく、環境に合わせて柔軟に判断できるのが特徴です。

物理的な空間で動作するAIに多く使われており、現実世界との連携が求められる場面で力を発揮します。

目標ベース型

目標ベース型エージェントは、明確な目的に向けて行動を計画するのが特徴です。状況に応じて手順を自ら組み立て、目的達成に向けて進みます。

たとえば、ChatGPTのようなAIに「旅行の準備をして」と依頼すると、日程調整・宿の提案・持ち物リストの作成など複数のステップを一貫して実行します。単なる会話の応答にとどまらず「目的達成」に向けて能動的に動けるのが、このタイプの魅力です。

複雑な依頼や、複数タスクをまとめて処理したい人に向いています。

ユーティリティ型

ユーティリティ型エージェントは、複数の選択肢の中から「もっとも効率が良い」と判断される行動を選んで実行します。

たとえば、Googleマップのナビ機能は、現在の交通状況をもとに最短ルートや所要時間をリアルタイムで再計算します。このように、環境や状況の変化を考慮して、最も合理的な選択を行うのが特徴です。

最短経路の選定、エネルギー消費の最適化、リソース管理などに活用されています。

学習型

学習型エージェントは、使うたびにユーザーの好みや傾向を学び、より精度の高い対応ができるようになるタイプです。

たとえばSpotifyでは、あなたが聴いた曲の履歴を学習して、好みに合った新しい楽曲を提案してくれます。また、英語学習アプリDuolingoのAIは、苦手な単元を把握して復習を提案してくれるなど学習の最適化にも活用されています。

このように、利用者ごとに最適な提案や自動対応が必要な場面で力を発揮するのが、学習型エージェントの用途です。

まとめ

AIエージェントは、指示を待つだけのツールではなく、自律的に行動して目標に向かって動いてくれる存在です。

情報収集からスケジュール管理、作業の自動化まで幅広く活用でき、個人の生活や仕事を支える強力なサポーターになり得ます。

導入には、誤回答や個人情報の流出といった注意点もありますが、簡単な使い方から始めることで、少しずつその便利さを実感できるはずです。あなたの生活や作業を、AIエージェントの力でより快適に整えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
関西の家電メーカーにてブルーレイレコーダーや電動アシストカートの開発を経験。地元の鳥取県に帰省後は、Webアプリケーションの開発に従事。組み込み系からWeb開発まで、幅広いソフトウェア開発経験を活かし、2022年よりWebライターとして活動中。侍エンジニアブログでは、PythonやWeb開発分野の記事執筆を担当。読者の悩みや知りたいことを汲み取った構成を意識しながら執筆しています。
【専門分野】
IT/Web開発/組み込み開発/AI/ロボット開発
【保有資格】
基本情報技術者試験
【SNS】
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