生成AIにおけるプロンプトとは?基礎知識から活用術まで紹介

この記事では、注目されている理由や活用例も交え、プロンプトとは何かをわかりやすく解説します。

プロンプトって言葉、よく聞くけどどういう意味なんだろう
プロンプトを理解できないと、生成AIは使えないの?

ChatGPT」などの生成AIを使ううえで欠かせないのが「プロンプト」です。ただ、プロンプトという言葉を聞いたことはあるものの、具体的に何なのかイメージが湧かない人は多いですよね。

実のところ、もともとプロンプトはIT分野で使われる言葉でした。生成AIのプロンプトに興味があるなら「そもそもプロンプトとは何か」から理解を深めることが大切です。

そこでこの記事では生成AIの初心者向けに実例も交え、プロンプトの基礎知識から活用術までわかりやすく解説します。プロンプトの構成要素や種類・作成のコツなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • もともとのプロンプトは入力を促す表示や合図
  • 近年は生成AIへの指示や問いかけを指すことが多い
  • AIプロンプトには4つの要素や多くのコツがある

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目次

プロンプトとは

プロンプトとは

英語のプロンプト(prompt)は「促す」「引き出す」「指示する」などの意味を持つ言葉です。文脈によって使われ方は異なりますが、共通して「何かの行動を引き出すためのきっかけ」というニュアンスを含みます。

もともとIT分野で使われていた言葉ですが、近年では「生成AI」の登場により別の意味合いでも使われるようになりました。ここではまず、IT分野における「プロンプト」とは何かについて、3つに分けて整理します。

IT分野におけるプロンプトとは

IT分野におけるプロンプトとは、システムやプログラムがユーザーに入力を促す表示や合図のことです。

対話型のシステムやプログラムでは、ユーザーが命令(コマンド)を入力し、それに応じて処理が行われます。このとき、システムやプログラムが「入力を受け付けますよ」とユーザーに示すのがプロンプトです。

たとえば、Windowsの「コマンドプロンプト」というアプリでは、画像のような記号が表示されます。この記号が入力待ちの状態、つまりプロンプトです。

IT分野におけるプロンプトとは

コマンドプロンプトの場合は「処理する対象のパス>」という形でプロンプトが表示されます。この「>」の直後にコマンドを入力・送信することで、パソコンを操作できるわけです。

このように、入力を促す表示そのものが、IT分野における「もともとの」プロンプトの意味です。

生成AIにおけるプロンプト(AIプロンプト)とは

生成AIにおけるプロンプト(AIプロンプト)とは、生成AIに対してユーザーが送る指示や問いかけの文章です。

前述のとおり、生成AIの登場によって「プロンプト」は別の意味合いでも使われるようになりました。

たとえば、テキスト生成AI「ChatGPT」に「おすすめの旅行先を教えてください。」と入力すると、画像のように旅行先を提案してくれます。この「おすすめの旅行先を教えてください」という文章がAIプロンプトです。

生成AIにおけるプロンプト(AIプロンプト)とは

生成AIはユーザーからのAIプロンプト次第で、多様なコンテンツ(文章や画像、音声など)を生成してくれます。そのため、業務効率化やアイデア創出など、幅広い分野での活用が進んでいます。

そして、その生成AIを活用するうえで欠かせない指示や問いかけがAIプロンプトです。

なお上記を踏まえ、ChatGPTにおけるプロンプトの役割をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

コマンドプロンプトとAIプロンプトの違い

似ている言葉ではあるものの目的や入力形式などの点で、コマンドプロンプトとAIプロンプトには明確な違いがあります。

コマンドプロンプトAIプロンプト
位置付けツールツールを活用するための命令
対象コンピューターのOS(Windows)生成AI
目的Windowsパソコンの制御(ファイル操作など)生成するコンテンツの指定
入力形式英文字のキーワードを用いた厳格なコマンド
例:copy file1.txt file2.txt
日本語などの自然な言葉による指示や問いかけ
例:おすすめの旅行先を教えてください。

コマンドプロンプトはコンピューターに直接具体的な命令を与える「ツール」です。「copy」といった特定のキーワードによるコマンドを入力・送信すると、OS(Windows)がその指示に従い動作します。

一方AIプロンプトは、生成AIという「ツールを活用するための命令」です。用途にあわせた文章を入力・送信すると、指示や問いかけに沿ってコンテンツを生成します。

コマンドプロンプトとAIプロンプトの違いを理解しておきましょう。なお、以降は「プロンプト=AIプロンプト」として解説を進めていきます。

プロンプトを構成する4つの要素

プロンプトを構成する4つの要素

プロンプトを構成する要素は、大まかに次の4つです。ここからは、具体例も交えつつ各要素について解説します。

命令

「命令」は生成AIに処理させたいタスク、つまり「してほしいこと」です。生成AIは、この命令に沿ってコンテンツを生成します。パソコンの動作が遅い原因を考えてもらう場合の例は、次のとおりです。

## 命令
以下のスペック情報をもとに、パソコンの動作が遅い原因を考え、初心者にもできる簡単な解決策を3つ提案してください。

この命令を与えれば、生成AIはパソコンの動作が遅い原因と、改善が期待できる3つの解決策を提案するでしょう。命令は生成AIを活用するうえで欠かせないため、最初に記載するのが基本です。

なお、複数の要素をプロンプトに含める場合は「## 命令」のように各要素を分けるのがおすすめ。このような書き方を「マークダウン記法」と呼びます。ただし、最初に記載する命令は省略することも可能です。

文脈(コンテキスト)

「文脈(コンテキスト)」は、生成AIがタスクを処理するにあたって前提とすべき条件や背景です。生成AIの処理に特定の方向性を与えたい場合、この文脈を指定しましょう。

パソコンの動作が遅い原因を考えてもらう場合の例は、次のとおりです。

## 前提条件
パソコン初心者にも伝わる単語や表現を使ってください。

この前提条件を与えれば、生成AIは原因や解決策を生成するにあたって、難解な単語や表現は避けるでしょう。なお、上の例では「前提条件」としていますが、ほかにも「制約条件」など多様な書き方があります。

入力

「入力」は、生成AIが処理するときに使うデータです。生成AIの処理に直接影響を与えるデータは、入力として指定しましょう。パソコンの動作が遅い原因を考えてもらう場合の例は、次のとおりです。

## 入力
- OS:Windows 10
- メモリ:4GB
- ストレージの空き容量:Cドライブ残り5GB
- よく使うアプリ:Chrome、Zoom、Excel

パソコンの動作が遅い原因の調査には、OSやメモリといったスペック情報が必要です。OSがWindowsかmacOSかによって、考えられる原因や解決策は変わるでしょう。このような情報は、入力として与える必要があります。

なお、複数の情報を箇条書きで記載する場合、マークダウン形式ではハイフン(-)に半角スペースをつけて表記します。

出力

「出力」は、生成AIに出力させる情報や形式です。生成AIから最終的にどのような回答を引き出したいのかを、出力として指定しましょう。パソコンの動作が遅い原因を考えてもらう場合の例は、次のとおりです。

## 出力
解決策は番号付きの箇条書きで出力してください。

この出力を与えれば、生成AIは番号付きの箇条書きで解決策を出力するでしょう。これまでの4要素をまとめて1つのプロンプトとしてChatGPTに送信した結果は、画像のとおりです。

出力

なお、簡単な出力条件であれば命令に含めてしまっても問題ありません。たとえば、次のようにもできます。

## 命令
以下のスペック情報をもとに、パソコンの動作が遅い原因を考え、初心者にもできる簡単な解決策を番号付きの箇条書きで3つ提案してください。

このように、プロンプトの4要素をうまく組み合わせることが、生成AIから求める回答を引き出すための基本です。

主要なプロンプトの型6つ

プロンプトには多様なパターンがありますが、主な型は次の6つです。ここからは具体例も交え、各型の特徴を紹介します。

なお、今回はChatGPTを用いた出力例を掲載しています。

質問・調査型

「質問・調査型」は、知りたい情報を効率的に収集するためのプロンプトです。情報収集や調べ物のときに活用しましょう。利用者が多いプログラミング言語を調査する場合のプロンプト例は、次のとおりです。

利用者が多いプログラミング言語トップ5を教えてください。

ChatGPTは、画像のようにトップ5を回答してくれました。ChatGPTなどの生成AIは、Web上の膨大なデータから学習した知識を得ているため、このような回答が行えるのです。

質問・調査型

ただし、生成AIの回答には誤情報が含まれるケースがある点に注意しましょう。また、生成AIの学習データが最新でない場合、回答も古くなるケースがあります。

作成型

「作成型」は、メール本文やプログラムなど、さまざまなコンテンツを作成するためのプロンプトです。明確に作りたいものが存在するときに活用しましょう。お礼メールを作成する場合のプロンプト例は、次のとおりです。

△△会社の〇〇様に送るお礼メールを作成してください。

## 背景
先日の商談へご参加いただいたこと、前向きな反応をいただいたことに対する感謝の気持ちを伝えたいです。

簡単にたたき台を作ってもらうだけなら、このように命令と文脈(背景)だけでも問題ありません。より詳細で正確なコンテンツを作成したい場合は、入力や出力もプラスして細かく指定しましょう。

ChatGPTは、画像のようにお礼メールを作成してくれました。多少の手直しは必要ですが、自分でゼロから書くよりも、はるかに効率的です。

作成型

このように、何かを効率的に作りたい場合、作成型のプロンプトで大幅に効率化できるでしょう。

創作型

「創作型」は、創造的なコンテンツを生み出すためのプロンプトです。「自分でも思いつかないアイデア」が欲しいときに活用しましょう。新しいエコバッグのキャッチコピーを考える場合のプロンプト例は、次のとおりです。

新しいエコバッグのキャッチコピーを3つ考えてください。

## 入力
- ターゲット層:20代後半~30代の働く女性
- 特徴:シンプルで洗練されたデザイン
- アピールポイント:おしゃれ感と機能性を両立している点

ChatGPTは、画像のように3つのキャッチコピーを提案してくれました。生成AIは、ゼロからまったく新しいものを生み出すわけではありません。しかし、既存のものを組み合わせるようなアイデア創出は可能です。

創作型

ただし、生成AIの提案内容には、既存の作品や表現と酷似しているものが含まれるケースもあります。既存の権利を侵害していないか必ずチェックし、必要であれば手直しを行いましょう。

変換・修正型

「変換・修正型」は、異なる形式や表現に変換したり、問題点を修正したりするためのプロンプトです。翻訳や校正など、既存の何かを加工したいときに活用しましょう。

日本語を英語に翻訳したい場合のプロンプト例は、次のとおりです。

以下の日本語を自然なビジネス英語に翻訳してください。

## 元の日本語
本日のミーティング、ありがとうございました。とても有意義な時間でした。

## 前提条件
イギリス人が違和感を覚えない表現を選んでください。

この例で「元の日本語」としているように、変換・修正型では「元の何か」が必ず存在します。そのため、何を変換・修正するのかを入力として与えましょう。

ChatGPTは、画像のようにイギリス人向けの英語表現に翻訳してくれました。生成AIはさまざまな言語や表現を学習しているため、変換や修正が得意です。

変換・修正型

要約・抽出型

「要約・抽出型」は、長文から要点を簡潔にまとめたり、重要な情報を抽出したりするためのプロンプトです。「一部分だけが必要」というときに活用しましょう。長文を要約する場合のプロンプト例は次のとおりです。

以下の文章から要点だけを整理し、箇条書きで出力してください。

## 元の文章
近年、働き方の多様化が進む中で、リモートワークの普及が注目されています。特に新型感染症の影響により、多くの企業が在宅勤務を導入し、オフィスに縛られない働き方が一般的になりつつあります。一方で、コミュニケーション不足や孤独感といった新たな課題も浮上しています。こうした背景から、オンラインツールの活用や定期的なチームミーティングの実施など、働く環境を整える工夫が求められています。さらに、社員のメンタルヘルスを支える体制や、成果で評価する制度の導入など、企業側の取り組みも重要です。リモートワークが一時的な対応ではなく、今後の標準的な働き方の一つとして定着するためには、企業と働き手双方の理解と適応が必要です。

変換・修正型と同様に、要約・抽出の元となる入力を必ず与えましょう。

ChatGPTは、画像のように要点を整理してくれました。内容がスッキリとまとまり、理解しやすくなっています。

要約・抽出型

このように、要約・抽出型のプロンプトを活用することで、難解な文章を理解しやすくなります。

評価・分析型

「評価・分析型」は、何らかの情報をもとに評価・分析し、価値ある事実やヒントを得るためのプロンプトです。「客観的な意見が欲しい」というときに活用しましょう。

自己PR文に対してアドバイスを求める場合のプロンプト例は、次のとおりです。

以下の自己PR文について、IT業界の採用担当者に好印象を与える構成や言葉になっているかどうか、評価してください。また、改善点があれば教えてください。

## 自己PR文
前職では小売業で販売と店舗運営に従事し、接客を通じて顧客ニーズを汲み取る力と課題解決力を磨いてきました。IT業界への転職を目指し、現在は独学でHTML・CSS・Pythonを学習中です。特に業務改善にITを活かすことに関心があり、前向きに取り組む姿勢と継続力を強みとしています。未経験でも吸収力と行動力で早期に貢献できる人材を目指しています。

こちらも、何を評価・分析するのかを入力として与えましょう。

ChatGPTは、画像のように自己PR文を評価し、改善点も提案してくれました。データから規則性やパターンを分析する生成AIにとって、評価や分析は得意分野です。

評価・分析型

このように、評価・分析型のプロンプトを活用することで、新たな気づきが得られる可能性があります。上記を踏まえ、生成AIにおけるプロンプトの作り方を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

プロンプトの活用例

プロンプトの具体的な活用法

ここからは、プロンプトの具体的な活用法を、5つにまとめて紹介します。

活用法1.情報収集の効率化

生成AIのプロンプトの活用法のひとつに情報収集の効率化があります。インターネット上には、多くの情報が存在しますが、その中から目的の情報を探し出すのは大変です。

しかし、AIの導入によりプロンプトに応じて必要な情報を提示してくれるため、情報収集の時間を短縮することが可能です。

具体的には、例えば「最新のAI技術を教えて」とプロンプトを入力すれば、AIは関連する専門記事や論文、ニュース等から情報を抽出し、要約してくれます。

ChatGPT
出典:ChatGPT

このように、プロンプトとAIを活用すれば、必要な情報だけを効率よく集めることが可能になります。ただし、プロンプトの精度によって集まってくる情報の精度が変わってくる点は注意しましょう。

なお、ChatGPTといったAIツールを活用して業務や作業を効率化できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。

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活用法2.コンテンツ作成のサポート

プロンプトはさまざまなコンテンツ制作に活用できます。特にAIプロンプトは、ブログ記事の作成やSNSの投稿文を自動作成できます。また、既存のテキストを構成したり改善したりすることも可能です。

例えば「健康的なレシピ」とプロンプトをAIに指示すると、健康志向の食事レシピの提案をしてくれます。

ChatGPT
出典:ChatGPT

そのほかにも、まだ不十分な文章をAIに指示して完成させることもできます。これにより、短時間で効率的にコンテンツを作成することが可能です。

活用法3.ITリテラシーの強化

プロンプトは、プログラミングなどの知識を学ぶときなどのITリテラシー向上にも活用できます。

例えばExcelの関数を調べるときにプロンプトを活用してAIに依頼すれば、さまざまな関数の働きなどを学べます。また、PythonやJavaなどのプログラミング言語を学ぶ過程でも、AIプロンプトはコードの作成やエラーチェックに活用可能です。

ChatGPT
出典:ChatGPT

ITリテラシーはインターネットの利用からデータ分析、プログラミングなど多岐にわたります。プロンプトを活用して、より高度なITリテラシーを習得できます。

活用法4.営業業務の効率化

プロンプトの活用は営業業務の効率化に役立ちます。情報収集という営業活動の一部をプロンプトを活用してAIに任せることで、必要な情報を効率よく得ることが可能です。例えば、顧客の事業内容や業界情報、過去の取引履歴などを把握することで、より具体的で効果的な提案ができます。

また、プロンプトを使ってAIに営業メールの作成依頼もできます。AIが提供する自然言語処理機能を使うことで、初回のメールやフォローアップのメールなど、営業シナリオに応じたテンプレートを生成可能です。これにより、営業担当者は時間を大幅に節約し、より多くの顧客に営業できます。

このようにプロンプトを活用してAIに指示を出すと、営業業務の効率化ができるようになります。

活用法5.新規事業の企画

新規事業の企画において、プロンプトはアイデアを得るための助けになります。プロンプトを活用してAIに指示すれば、特定のキーワードやテーマに基づいて関連情報を生成可能です。

広範囲で多様な視点からのインプットを供給できるため、新しいビジネスアイデアを探す際に新たな視点を得られます。

さらに、市場調査のフェーズでは、AIが集めたデータにもとづき、市場のトレンドやニーズがつかめます。この情報は新規事業の方向性を見つけるために大切です。

これらの活用方法を組みあわせて使うことで、新規事業のリスクを減らし、成功につながる事業開発を行えます。

ただし、AIを活用するためには、プロンプトの最適な設計や開発が必要です。次の章では、適切なプロンプトについて紹介します。

プロンプトはどう使えばいいの?

プロンプトはどう使えばいいの?

これまでプロンプトの基本や型について説明してきましたが、なかには

実際にどう使えばいいのかわからない…

という人もいますよね。

そこでここからはプロンプトをうまく使うポイントを、4つにまとめて解説します。

情報を要素ごとに整理する

伝えたい情報が複数ある場合や、さまざまな要素を与える必要がある場合は、情報を要素ごとに整理しましょう。そうすることで、生成AIが意図を正確に把握しやすくなります。

たとえば、次のプロンプトは情報が整理されておらず、ひと目ではわかりづらいでしょう。これでは、生成AIがノートパソコンを探すときの基準もあいまいになってしまいます。

おすすめのノートパソコンを教えてください。予算は10万円くらいで、デザインツールを用いてデザイン制作を行うために活用しますが、持ち運びやすいものが理想です。バッテリーも長持ちする方が嬉しいです。色はシルバーか白を希望します。

そこで、下記のように「絶対条件」と「希望条件」に分けて整理してみました。このように情報を要素ごとに整理すれば、生成AIがよりニーズに合ったノートパソコンを探しやすくなります。

おすすめのノートパソコンを教えてください。絶対条件をすべて満たし、かつ希望条件をできる限り多く満たすものが理想です。

## 絶対条件
- 予算の10万円に収まる
- デザインツールを使用したデザイン制作に耐えられるスペック

## 希望条件
- 持ち運びやすい
- バッテリーの持ちが良い
- カラーはシルバーまたは白

情報を要素ごとに整理しておくと、自分が後から再利用するときにも好都合です。

情報を整理することは、プロンプトを設計・最適化する「プロンプトエンジニアリング」の基本ともいえます。プロンプトエンジニアリングについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

プロンプトエンジニアリングとは?必要性や出力例、学習方法も紹介
更新日:2025年5月6日

具体性を持たせる

プロンプトの内容があいまい・抽象的だと、生成AIは意図を勘違いしやすくなります。そのため、プロンプトにはできる限り具体的な情報を含めるように心がけましょう。

たとえば、次のプロンプトでは「人気」という抽象的な表現を用いています。これでは、何をもって「人気」とするのか生成AIの裁量で判断しなければなりません。

人気のプログラミング言語を教えてください。

そこで、次のように「日本国内で利用者が多い」と具体化してみましょう。こうすることで、生成AIは自らが学習している日本国内の利用者データを踏まえた回答が可能となります。

日本国内で利用者が多いプログラミング言語を教えてください。

このように、できる限り具体的な情報を与えることが、回答の精度を高めるためのコツです。

「すべきこと」を指示する

「すべきでないこと」を指示するよりも「すべきこと」を指示するほうが効果的といえます。

生成AIが処理時に参照する膨大なデータを考えると、ごく一部の禁止事項を伝えても焼け石に水です。むしろ、本来目指すべき方向性がぼやけ、精度が落ちる懸念もあります。

たとえば次のプロンプトでは、プログラミングの専門用語をピンポイントに禁止しています。一見、的確な指示のようですが「では、代わりにどのような表現を使えばいいのか」が不明確です。

「非同期処理」「オブジェクト指向」といった専門用語は使わないでください。

そこで、次のように「すべきこと」を指示する形に見直してみました。こうすることで、生成AIはプログラミング初心者向けの言葉に絞って選びやすくなります。

プログラミング初心者にも伝わりやすい言葉を使ってください。

このように「何を避けるべきか」ではなく「どうすべきか」を伝えることが、生成AIに意図を正しく理解させるための近道です。

試してみてから調整する

完璧なプロンプトを最初から作成することは難しいものです。そのため、ある程度の形になったプロンプトで試し、生成AIの出力結果を見ながら調整すると良いでしょう。

最初の出力結果が期待と異なる場合は、指示をより具体的にしたり、表現を変えたりするなど試してみてください。試行錯誤しながらブラッシュアップしていくことが、プロンプトを洗練させるための効率的なやり方です。

生成AIのプロンプトを使いこなすには

プロンプト活用スキルを高め、生成AIから求める回答を引き出すことは案外難しいものです。生成AIに慣れていない人の場合、試行錯誤に時間がかかり、途中で行き詰まってしまうケースも少なくありません。

生成AIは一種のプログラムです。「餅は餅屋」というように、生成AIの学習ならプログラミングの専門家を頼るのが、効率的なスキル向上の近道といえます。

近年では、生成AIの活用について学べるプログラミングスクールも増えています。AIやプログラミングの専門家を擁するスクールを利用すれば、挫折なく効率的にプロンプト活用スキルを磨けるでしょう。

なかでも、おすすめは侍エンジニアの業務改善AI活用コースです。生成AIの活用スキルに加え、需要が高いプログラミング言語「Python」によるデータ処理や業務効率化のスキルも学べます。

また侍エンジニアは、現役エンジニアと学習コーチの2名体制で学習をサポートするのが特長です。そのため、学習で抱える悩みや不明点をスムーズに解決でき、挫折しにくい環境であるといえます。

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まとめ

「プロンプト」という言葉はIT分野で長く使われてきましたが、近年では生成AIの文脈で使われることが多いです。そこで今回は、特に注目されているAIプロンプトについて紹介しました。

生成AIを使いこなすためには、プロンプトの理解と活用が欠かせません。プロンプトの活用スキルを磨くためには、プロンプトの基本を知り、実践を繰り返していくことが求められます。

プロンプトの学習では、挫折しない環境づくりが大切です。学習に挫折しないか不安な場合は、プログラミングスクールの生成AIコースなどを活用すると良いでしょう。

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