Difyとn8nの違いを徹底比較!メリット、活用例なども解説
Difyとは?
n8nって何?
どっちを選べばいい?
DifyはAIアプリの基盤力が高く、n8nは業務連携の中枢になります。
両者を組み合わせると設計の幅が一気に広がるでしょう。
この記事では、Difyとn8nについて以下の内容を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
Difyとn8nの基本

この章では、Difyとn8nの基本を以下の順で解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Difyとは
Difyは生成AIアプリを作って配布し運用まで管理できるオープンソースの基盤です。
画面上でエージェント的なワークフローやRAGの流れを組み立てられ、モデル管理やログ観測も同じ場所で扱えます。クラウドとセルフホストの両方に対応し、小さな検証から本番展開まで段階的に進められます。
各アプリに対して複数のAPIキーを発行できるため、外部サービスや社内ツールから安全に呼び出しが可能です。
まずは対象アプリのAPI Accessでクレデンシャルを作成し、必要なモデル接続を設定すると連携が進みます。
RAGの導入もドキュメントに沿って構築でき、知識ベース検索を介して回答品質を高められます。
n8nとは
n8nはSaaSや自社APIをつないで処理を自動化するワークフロー基盤です。
Webhookで外部イベントを受けてフローを開始できます。また、HTTP Requestノードで任意のREST APIを呼び出せます。
ワークフローの最後の結果をWebhookの応答として返す使い方も可能です。さらに、クラウドとセルフホストの両方に対応します。
ライセンスはフェアコード系のSustainable Use Licenseで、クラウドは実行回数を軸に課金されます。
Difyとn8nの主な違い

Difyとn8nの主な違いは以下の5つです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
役割の違い
Difyは「AIアプリを作り配布し運用する」ための基盤で、RAGやエージェントや低コードのワークフローを一体で扱えます。
各アプリにAPIアクセスを発行して外部から安全に呼び出せる点も特徴です。対してn8nは「外部SaaSや自社APIをつなぐ業務自動化ハブ」で、Webhookで受け取りHTTP Requestで任意のREST APIを呼び出し処理を連結します。
結果をAPIエンドポイントのように返す運用も可能です。チームに見せる面はDifyに寄せて、周辺の連携と再試行や分岐はn8nで設計すると分担が明確になります。
ワークフローの違い
DifyはAIタスクを中心に据えたエージェント型ワークフローを提供し、検索→取得→要約といったRAGの一連の流れやツール実行を画面上でつなげて組み立てられます。
知識ベースはRAGの各段階を可視化して調整でき、AIアプリの処理系をそのまま本番運用へ載せやすい構造です。
一方n8nは外部サービス連携に強いイベント駆動ワークフローで、Webhookで受けたリクエストをトリガーにし、HTTP Requestで任意のREST APIを呼び分岐や再試行を組み込みながら結果を返せます。
導入とライセンスの違い
Difyはオープンソースとして提供され、クラウドとセルフホストのどちらでも導入できます。
公式はDocker Composeなどでの自前運用手順も示しており、用途に合わせて展開形態を選択可能です。クラウド版では、一部プラグインのOAuthが既定で用意されるなど運用を始めやすい利点があります。
n8nはフェアコードのSustainable Use Licenseを採用し、クラウドとセルフホストの両方を用意します。クラウドは実行回数に基づく料金設計で、セルフホストは要件に応じて選択が可能です。
配布モデルの違い
Difyはアプリ単位でAPIキーを発行し外部からの呼び出しを前提に配布できます。
DifyはAuthorization: Bearerの形式で認証し鍵はサーバー側で保管する運用を推奨します。必要になれば特定アプリの鍵だけを失効できるため、連携先ごとの管理がしやすいです。
一方、n8nはワークフローごとにWebhookや、HTTPの入口を公開し社内外のシステムから呼ばれる形で配布します。
Webhookはテスト用と本番用のURLを使い分けられ、応答モードも即時や最終ノード完了時などを選べます。
コスト構造の違い
Difyはクラウド版でプランごとの利用枠が用意され、まず無料トライアルとしてOpenAI呼び出しの回数が付与されます。
大きく作ってから最適化するより、小さく検証して枠の使い方を固める運用が合うでしょう。セルフホストも可能ですが、外部モデルの費用は別で見積もる前提になります。
n8nは料金の軸がワークフロー実行回数に置かれ、ユーザー数やワークフロー数は原則無制限という設計です。処理を細かく分けるほど実行回数が増えるため、バッチ化や条件分岐の見直しで回数を抑える設計が効きます。
自社ホストの場合はインフラ費と運用コストを別途考慮し、ピーク時の同時実行を基にサイジングすると無駄が減ります。
Difyとn8nを利用するメリット

この章では、Difyとn8nを利用するメリットを以下の順で解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Difyを利用するのメリット
DifyはAIアプリの設計から配布までを1つの画面で進められるため、試作から本番移行が速くなります。
RAGやエージェントのノードが用意され、検索や要約やツール実行を視覚的に組み立てられます。ナレッジ機能はRAGの各段階を可視化でき、精度調整がしやすいです。
アプリ単位でAPIキーを発行でき、外部システムから安全に呼び出せます。複数のクレデンシャルを分けて配布できるので、権限管理が明確です。
クラウドのサンドボックスは少量のOpenAIコールを試せるため、学習コストを抑えて検証を始められます。セルフホストも選べるので、セキュリティ要件に合わせた導入が可能です。
n8nを利用するのメリット
n8nは、外部イベントでワークフローを起動できるため連携の起点を作りやすいです。
Webhookノードは、テスト用と本番用のURLを分けられ応答タイミングも選べるので、APIエンドポイントのように運用できます。
HTTP Requestノードで任意のREST APIを叩けるため、専用コネクタが無いサービスも接続が可能です。自動化の中心に据えて分岐や並列処理を組み込めるので、業務フローを広く束ねられます。
クラウドとセルフホストの両対応で、環境要件に合わせた導入がしやすいでしょう。クラウドは、実行回数ベースの課金で規模感に応じた見積もりが立てやすいと言えます。
Difyとn8nの利用に向かない場面

この章では、Difyとn8nの利用に向かない場面を以下の順で解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Difyの利用に向かない場面
大量のSaaS連携やETL中心の業務自動化を広く束ねたいだけならn8nのほうが適します。
DifyはAIアプリ基盤として強力ですが、料金はメッセージ枠やナレッジ上限などの設計に影響を受けやすく、高頻度イベント処理や秒単位の大量トリガーは非効率になりがちです。
クラウドの枠内ではドキュメント数やストレージ、知識リクエストのレートがプランで決まり、設計を誤ると早期に上限へ達します。
最新モデルの利用可否やAPI側レート制限も外部プロバイダ依存で、たとえばOpenAIの一部モデルはアクセス要件やRPM制限が厳しく、同時多発の呼び出しには向きません。
n8nの利用に向かない場面
高頻度イベントで毎分数千回の実行が走る設計はコストが膨らみやすいです。
大量トラフィックを恒常的に裁く用途は実行回数課金と相性が悪い場合があります。Webhook経由で外部に即時応答したい場面でも、レスポンス制御に作法があり要件に合わないことがあるのです。
LLMの知識管理やRAGの可視化や運用改善まで一体で扱いたい場合は、専用基盤のほうが効率的と言えます。
商用提供モデルでライセンス条件を厳密に満たす必要がある場合、適合性の確認が欠かせません。
Difyとn8nのおすすめ活用例

この章では、Difyとn8nのおすすめ活用例を以下の順で解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Difyのおすすめ活用例
社内ドキュメントや、FAQをナレッジに取り込みRAGで回答するヘルプデスクを作ると問い合わせの初動を安定化が可能です。
議事録や報告書のテンプレ下ごしらえを自動化すると要約と要点抽出を同じフローで回せます。製品マニュアル検索ボットを公開して顧客向けセルフサービスを用意すると、CSの負荷を下げられます。
フォーム入力の説明文や免責文の自動生成を差し込むとヒューマンエラーを減らせるでしょう。アプリ単位でAPIキーを発行して外部システムから安全に呼べるため、既存のワークフローに組み込みやすいです。
ナレッジの取得戦略やメタデータで精度を調整し運用しながら改善できる点も実務と相性が良いです。
n8nのおすすめ活用例
社内システムやSaaSを横断して動かすハブとして使うと効果が高いです。
まずWebhookで問い合わせやフォーム送信を受けて起動し、分岐で担当や優先度を決め、最後に応答まで返すと簡易APIとして運用できます。
外部サービスへの書き込みや取得はHTTP Requestノードで統一し、専用コネクタが無い相手でもRESTなら接続が可能です。夜間のバッチ処理はSchedule Triggerで定期実行にすると人的作業を減らせます。
失敗時はError Triggerやエラーワークフローを用意して再試行や通知を自動化すると復旧が速くなります。
Difyとn8nに関してよくある質問
この章では、Difyとn8nに関してよくある質問を以下の順で解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
両方を併用できる?
併用でき、相性も良いです。
基本は2通りで、Difyからn8nへはWebhookにPOSTして処理を起動します。n8nは、Webhookノードで受けて最後のノード完了時に結果を返す設定も選べます。
逆方向はn8nのHTTP RequestノードでDifyのApp APIの呼び出しが可能です。
認証はAuthorizationヘッダーにBearerでAPIキーを入れ、APIキーはサーバー側で安全に保管しましょう。レスポンス制御はWebhookのResponse ModeやRespond to Webhookノードで設計します。
まず小さな流れで往復を確認してから分岐や再試行を追加すると安定するでしょう。
セキュリティはどう考える?
Difyはアプリ単位でAPIキーを発行しAuthorizationヘッダーにBearerで送る方式のため、キーは必ずサーバー側に保管しましょう。
キーをフロントで露出させない設計にすると、漏えいリスクを下げられます。ナレッジや添付の保持期間は自前ホストならクリーニングコマンドで管理でき運用ポリシーに合わせやすいです。
n8nはWebhookで受ける入口にBasicやHeaderやJWTの認証を設定できるため、匿名公開を避けられます。応答はRespond to WebhookやWebhookノードの設定で待機方式を選べるためタイムアウトや情報露出を抑える制御が可能です。
データ保持と削除ポリシーはどう整える?
まずDifyはアプリごとのAPIキーで操作し、サーバー側保管を前提にしつつ知識ベースの文書をAPIで取得や削除できるため、保持期間や削除基準を運用ポリシーとして決めやすいです。
n8nはクラウドでワークフローや資格情報をユーザーが削除するまで保持し、実行データはアカウントの期間設定に従うため、組織の保持ルールに合わせて期限と消去手順を文書化します。
自己ホストのn8nは資格情報を暗号化保存でき外部シークレッツやバックアップ運用も選べるため、鍵の所在と復旧手順を明確にしましょう。
さらに、Webhookの認証や応答設計を固めて不要データを返さない方針を徹底すると、紛失のリスクを減らせます。
まとめ
この記事では、Difyとn8nについて以下の内容を解説しました。
DifyはAIアプリの土台としてRAGやエージェントを形にしやすく、n8nはSaaSやDBを横断して処理を動かす自動化ハブとして機能します。
DifyはAI中心のワークフローを画面で構築でき、n8nはWebhook起点でHTTP呼び出しや分岐と再試行を設計が可能です。
実務では外部に見せるAIアプリをDifyで作り、登録や通知や集計はn8nに任せてHTTPとWebhookで双方向に連携すると無理なく始められます。
