Google AI StudioとGeminiはどこが違う?5つの観点で違いを解説
Google AI Studioとは?
Geminiとは?
2つの違いって何?
このような疑問があるのではないでしょうか。
同じ「Gemini」という名前がモデルやアプリに使われているため、多くの人が用語の違いで戸惑います。さらにGoogle AI StudioやGemini APIやVertex AIなど、似たサービス名が並ぶことで全体像が見えにくくなりやすいです。
そこでこの記事では、Google AI StudioとGeminiの違いについて以下の内容を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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Google AI StudioとGeminiの基本概要

この章では、Google AI StudioとGeminiの基本概要を以下の通りに解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
GeminiはAIモデル&チャットサービス
Geminiは、Googleが提供する生成AIモデル群の総称です。
Geminiモデルは、テキストや画像やコードなど複数の種類の入力を理解して出力を生成します。現在はGemini 1.5やGemini 2.0など複数のモデルが公開されており、高度な推論やマルチモーダル処理に対応します。
これらのモデルは、GeminiアプリやGoogle検索やGoogle AI Studioなどのサービスから利用が可能です。一方で「Gemini」は、一般ユーザー向けのAIチャットサービスの名称でもあります。
Geminiアプリでは、ブラウザやモバイルアプリからアクセスして、多様な言語で会話形式の操作ができます。Geminiの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

Google AI Studioは開発者向けの実験環境・IDE
Google AI Studioは、ブラウザ上で動作する開発者向けの実験環境として提供されています。ここでは、利用したいGeminiモデルを選択して、プロンプトや各種パラメータを設定可能です。
次にテキストや画像や音声などを入力して、モデルの応答を1つの画面で試せます。またプロンプトの文言や設定を少しずつ変えながら、どのように出力が変わるかを比較検証できます。
そして検証して良かった設定については、「Get code」機能からサンプルコード生成が可能です。このサンプルコードをそのまま出発点として、アプリケーションやWebサービスに組み込めます。
なお、Google AI Studioの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

Google AI StudioとGeminiの違いを5つの観点で比較

この章では、Google AI StudioとGeminiの違いを以下の5つの観点で比較します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
想定ユーザー(一般ユーザー vs 開発者)
Geminiは、日常的にAIを使いたい一般ユーザーやビジネスユーザーを主な対象としたチャットサービスです。ユーザーはブラウザやスマートフォンアプリからアクセスして、文章作成や要約や調べ物を気軽に依頼できます。
一方でGoogle AI Studioは、Gemini APIを利用してアプリやワークフローを作りたい開発者を主な対象としています。開発者はモデルやプロンプトや各種パラメータを細かく設定しながら、挙動の検証が可能です。
そのためGeminiは「AIアシスタントを使いたい人」向けであり、Google AI Studioは「AIを自分のサービスに組み込みたい人」向けという違いがあります。
用途(日常利用のチャット vs アプリ開発・検証)
Geminiの主な用途は、チャット形式での質問や相談や文章生成などの日常利用です。
ユーザーはメールの下書きや企画書のたたき台の作成や学習の補助などを、会話の延長線上で行えます。また画像について説明してもらったり、コードの修正案を提案してもらったりすることもできます。
一方でGoogle AI Studioの用途は、Geminiモデルを使ったプロトタイピングやアプリ開発のための検証です。開発者は同じ入力に対する出力の違いを比べながら、ビジネス要件に合うプロンプト設計を行います。
そして検証した設定をコードとしてエクスポートし、本番システムに組み込んでいきます。
料金(サブスク/エンタープライズ vs API従量課金)
Geminiアプリには、無料プランに加えて有料サブスクリプションや企業向けエンタープライズプランがあります。これらのプランでは、利用できるモデルや機能や利用上限が拡大し、業務利用を想定した条件が整えられています。
一方でGoogle AI Studioは、裏側で利用するGemini APIの料金体系に従って従量課金制です。開発者は入力トークン数と出力トークン数や、画像や音声などの利用量に応じた料金テーブルを前提に設計します。
また一部には検証用として、無料で試せるクレジットや無料枠が用意される場合があるので、気軽に利用可能です。
そのためGeminiは「サブスク中心の利用」、Google AI Studioは「API従量課金を意識した利用」という違いがあります。
Google AI Studioの料金をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

導入ハードル(ログインだけで使う vs APIキー発行や実装が必要)
Geminiアプリは、Googleアカウントでログインするだけで利用開始が可能です。
追加の開発環境の準備をしなくても、ブラウザやモバイルアプリからすぐにチャットを始められます。そのため個人ユーザーや非エンジニアでも、導入ハードルが低くなっています。
一方でGoogle AI Studioは、開発者がGemini APIを利用することを前提としたツールです。利用する際は、プロジェクト設定や課金設定やAPIキー発行など、いくつかのステップを踏む必要があります。
さらに本格導入では、生成されたコードを自社システムに組み込む実装作業も発生します。
機能の細かさ(プロンプト設計・レート制限・ログなど)
Geminiアプリは、直感的に使えるチャット体験を重視したインターフェースになっています。ユーザーは細かなパラメータを気にせず、その場の会話の流れで指示を出して結果を得られるでしょう。
一方でGoogle AI Studioは、プロンプト設計やモデル動作の検証に特化した機能が用意されています。開発者は温度や最大トークン数などのパラメータを調整しながら、応答品質とコストのバランスを検証可能です。
またAPIのレート制限や利用状況のログを確認しながら、どの程度のリクエストを処理できるかを設計できます。
そのため「簡単に使えるGemini」と「細かな制御ができるGoogle AI Studio」という機能面の違いが生まれています。
Google AI StudioとGeminiの違いで混乱しやすいポイント

Google AI StudioとGeminiの違いで混乱しやすいポイントは主に次の3つです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Geminiはモデルかアプリか
Geminiという名前は、Googleが提供する生成AIモデル群そのものを指します。Geminiモデルは、テキストや画像や音声や動画を扱えるマルチモーダルモデルとして設計されているのです。
一方で同じ「Gemini」は、一般ユーザー向けのAIチャットアプリやアシスタントの名称としても使われています。ユーザーはこのアプリを通じて、文章作成や要約や画像生成などを会話形式で利用できます。
つまりGeminiは「基盤モデル」と「それを利用するアプリ」の両方の意味を持つため、文脈を意識して読み取ることが大切です。
Google AI StudioとGeminiアプリの役割の違い
Geminiアプリは、日常的にAIアシスタントを使いたい人向けのサービスです。ユーザーはブラウザやスマホアプリからアクセスして、質問や相談や文章作成をチャット感覚で行えます。
一方でGoogle AI Studioは、Gemini APIを使った開発や検証を行うための開発者向けツールです。開発者はプロンプトやパラメータを細かく調整しながら、期待どおりの挙動になるかを検証可能です。
そして検証した内容をコードとしてエクスポートし、自分のアプリやシステムに組み込みます。
このように「使う場所」がGeminiアプリ、「作る場所」がGoogle AI Studioという役割分担があります。
Gemini API・Vertex AI・AI Studioの関係
Gemini APIは、Geminiモデルをプログラムから呼び出すための開発者向けインターフェースです。
Google AI Studioは、このGemini APIをブラウザ上で手軽に試せる開発ツールであり、プロンプト設計やコード生成に特化しています。一方でVertex AIは、Google Cloud上で生成AIや機械学習モデルを本番運用するためのエンタープライズ向けプラットフォームです。
企業はVertex AIを通じて、Gemini APIを含むさまざまなモデルをスケーラブルにデプロイできます。
Google AI StudioとGeminiはどちらを使うべき?

この章では「Google AI StudioとGeminiはどちらを使うべきか」について以下の内容を解説します。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
日常で使うならGemini
日常でAIを使いたい場合は、まずGeminiアプリを選ぶのがおすすめです。
Geminiはブラウザやスマホアプリからすぐに利用でき、特別な設定をしなくてもチャット形式で質問できます。
文章の作成や要約やスケジュールの整理など、ふだんの仕事や生活でよく行う作業をまとめて任せられます。さらにGmailやカレンダーなど、他のGoogleサービスと連携して情報を引き出すことも可能です。
そのため「とりあえずAIを試したい」「難しい設定は避けたい」という人にはGeminiが向いています。Geminiの活用法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

AIアプリを作ってみたいならAI Studio
自分でAIアプリや社内ツールを作ってみたい場合は、Google AI Studioが適しています。
Google AI StudioはGemini APIを試せる開発者向けのツールであり、ブラウザ上でプロンプトや設定を細かく調整が可能です。
チャット形式だけでなく、構造化した入力や複数のサンプルを使って、安定した応答を出すかどうかを検証できます。気に入った設定が見つかったら、「コードを取得」機能から各種言語のサンプルコードを生成可能です。
そのコードをアプリやバックエンドに組み込むことで、実際に動くAIアプリへと発展させられます。Google AI Studioでアプリ開発する方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

チーム開発を見据えるならAI Studio+Gemini API
チームでAI機能をサービスに組み込んでいきたい場合は、Google AI StudioとGemini APIを組み合わせる形が有力です。
まずAI Studio上でプロトタイプを作り、プロンプトやパラメータをチームで共有しながら検証します。そのうえでGemini APIのコードをリポジトリに組み込み、通常のアプリ開発と同じフローで管理します。
APIの利用状況やレート制限やログも、AI Studioや管理画面から確認可能です。
この流れにしておくと、メンバーが増えたときにも設定や仕様を引き継ぎやすく、運用しやすい体制を作れます。
Google AI studioやGeminiに関するよくある質問(FAQ)
Google AI studioやGeminiに関するよくある質問は主に次の3つです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Geminiだけ使っていてもOK?AI Studioは必須?
ふだんの仕事やプライベートでAIを使うだけなら、Geminiアプリだけ使っていても問題ありません。
Geminiアプリはブラウザやスマホからアクセスでき、文章作成や要約や調べ物などをまとめて任せられます。一方でGoogle AI Studioは、Gemini APIを試したい開発者向けの実験環境です。
そのため「AIを組み込んだアプリを作る予定がない人」には必須ではありません。
将来アプリ開発に挑戦したくなったときに、AI Studioを触り始めれば十分です。
Google AI Studioは無料でどこまで使える?
Google AI Studioは、開発者向けに無料で試せる利用枠が用意されています。無料枠の範囲では、対応しているGeminiモデルを選び、プロンプトを試し、挙動を検証可能です。
ただしリクエスト数やトークン数には、1日あたりや1分あたりの上限があります。本格的に大量のリクエストを送る場合や、商用システムで安定して使いたい場合は、有料ティアや課金設定が必要になります。
まずは無料枠で検証し、そのあと必要に応じて課金プランやVertex AIへの移行を検討する流れが一般的です。
Vertex AIやGemini Enterpriseとの違いは?
Vertex AIは、Google Cloud上で生成AIや機械学習モデルを本番運用するためのプラットフォームです。大規模なスケールやセキュリティや権限管理が必要な企業向けのサービスとなっています。
一方でGoogle AI Studioは、Gemini APIを試すためのブラウザベースの実験環境であり、主に個人開発者や小規模チーム向けです。Gemini Enterpriseは、企業がユーザー単位のサブスクリプションでGeminiを利用するためのビジネス向けサービスとなっています。
まとめると「軽く試すのがAI Studio」「クラウドで本番運用するのがVertex AI」「ユーザーごとの業務利用を広げるのがGemini Enterprise」というイメージです。
まとめ
この記事では、Google AI StudioとGeminiの違いについて以下の内容を解説しました。
Google AI StudioとGeminiは、どちらか一方が優れているという関係ではありません。
Geminiアプリは、日常の調べ物や文章作成にすぐ使える「身近なAIアシスタント」という立ち位置です。一方でGoogle AI Studioは、Gemini APIを使ったプロトタイピングやアプリ開発に特化した「開発者向けの実験環境」です。
さらにチーム開発や本番運用まで視野に入れると、Vertex AIやGemini Enterpriseなど、より大きな選択肢も見えてきます。まずはGeminiでAIに慣れつつ、必要に応じてAI Studioでプロンプト設計やコード連携に踏み出す流れがおすすめです。
公式ドキュメントも確認しながら、自分の目的に合ったレベルと構成でGoogleの生成AIを活用していきましょう。
