NotebookLMはAPIで使えるのか?最新事情と実現パターンを徹底解説

NotebookLMを業務やプロダクトに組み込みたいと考えても、公式情報だけではAPIの有無や連携方法が分かりづらく、調査や検証に時間と労力がかかりますが、ポイントを整理して理解すれば、自分に合った実現パターンを効率よく選ぶことが可能です。

しかし、NotebookLMのAPI利用に興味がある方の中には以下のような疑問・懸念をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

NotebookLMは個人向けに公式APIがあるのか知りたい
NotebookLM Enterprise APIでどのような操作ができるのか知りたい
公式APIがない場合にGemini APIやノーコードツールなどでどのように代替できるのか知りたい

そこでこの記事では、NotebookLMをAPI連携で活用したい方に向けて以下の内容を解説します。

  • NotebookLMはAPIで使えるのかという最新状況と個人向けNotebookLMの制約
  • NotebookLM Enterprise APIの概要と始め方
  • Gemini APIやノーコード連携、非公式サービスを用いた代替アプローチと注意点

この記事では、NotebookLMのAPI利用に関する前提からEnterprise APIの具体的な使い方、さらに代替手段の選び方までを一通り押さえられるように分かりやすく解説します。

NotebookLMと外部システムの連携方法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

NotebookLMはAPIで使えるのか最新状況を整理

NotebookLMはAPIで使えるのか最新状況を整理

NotebookLMは、ノートにアップロードした資料をもとに要約や質問応答ができるリサーチ支援ツールですが、APIとしてどこまで利用できるのかは分かりにくいのが実情です。

本章では、「個人向けNotebookLMに公式APIが存在しない理由」「NotebookLM Enterpriseで提供されているAPIの位置づけ」「公式ドキュメントとコミュニティ情報から分かる制限点」の三つの観点から、NotebookLMのAPI利用の現状を整理します。

個人向けNotebookLMに公式APIが存在しない理由

個人向けNotebookLMは、ブラウザやモバイルから手軽に使える一般ユーザー向けサービスとして設計されています。そのため、公式サイトやヘルプではAPI提供について明示されておらず、開発者向けのエンドポイントは公開されていません

Googleとしては、拡張性や自動化ニーズにはGemini APIや他のCloudサービスで応える方針を取っていると考えられます。

個人向けNotebookLMでは、権限管理やデータガバナンスを細かく制御する仕組みをAPI経由で提供する設計になっていない可能性があります。セキュリティや誤利用のリスクを抑える観点からも、現時点ではパブリックAPIを開放せず、UIを通じた利用に限定していると捉えられます。

その結果、個人向けNotebookLMは、ファイルアップロードや共有機能などの範囲で活用しつつ、自動化や連携は他サービス側で補う前提になります。

NotebookLM Enterpriseで提供されているAPIの位置づけ

NotebookLM Enterpriseは、組織向けにNotebookLMを安全かつ統制の取れた形で提供することを目的としたサービスです。

そこで提供されるEnterprise APIは、ノートブックの作成や取得、一覧表示、共有設定の変更などを自動化するための管理レイヤーとして位置づけられています。

UIから行う作業を運用スクリプトや社内ツールから呼び出せるようにし、チームでの利用を前提にしたワークフロー構築を支援します。さらに、ノートに紐づく音声概要やポッドキャストの生成をAPI経由でトリガーできるため、社内ポータルやLMSなどにNotebookLMの結果を組み込めます。

一方で、利用にはGoogle Cloudプロジェクトや課金設定、ライセンス付与、IAMロールの構成などが必要になり、個人利用よりも運用前提が重くなります

つまりEnterprise APIは、一般ユーザー向けの追加機能ではなく、企業がNotebookLMを自社インフラの一部として組み込むための基盤として設計されています。

公式ドキュメントとコミュニティ情報から分かる制限点

公式ドキュメントを確認すると、NotebookLM Enterprise APIはノート管理と音声関連機能を中心に提供されており、UI上の操作すべてを網羅しているわけではないことが分かります。

対話の内容や細かな編集操作まで自由に制御するAPIではなく、あくまでリソース管理と一部の生成処理を対象とした設計になっています。

また、利用にはEnterprise契約やGoogle Cloud環境の準備が必要であり、小規模な個人プロジェクトで気軽に試すのは難しい条件になっています。個人向けNotebookLMについては、公式フォーラムなどで「現時点ではパブリックAPIは提供されていない」と繰り返し案内されている状況です。

コミュニティでも、外部サービスとの直接連携ができないため、PDFやテキスト書き出しを経由して他ツールに渡すといったワークアラウンドが議論されています。

このような情報を踏まえると、NotebookLM単体に過度なAPI連携を期待するのではなく、Gemini APIや他サービスと組み合わせて全体設計を行うことが現実的だといえます。

NotebookLM Enterprise APIの概要

NotebookLM Enterprise APIの概要

NotebookLM Enterprise APIは、組織向けNotebookLMのノート作成や共有設定などをプログラムから操作できるようにする開発者向けの機能です。

本章では、「ノート作成や共有などAPIで実行できる主な操作」「利用に必要なGoogle Cloudサービスと前提条件」「料金モデルとチーム利用に向くケース」の三つの観点から、NotebookLM Enterprise APIの概要を解説します。

ノート作成共有などAPIで実行できる主な操作

NotebookLM Enterprise APIでは、NotebookLM上のノートブックをプログラムから操作できます

新しいノートを作成してタイトルや説明を登録したり、既存ノートの情報を更新したりできます。ノートに対してソースドキュメントを追加したり、不要になったノートやリソースを削除したりすることもできます。

ユーザーやグループ単位で閲覧権限や編集権限を付与し、共有設定を一括で管理できる点も特徴です。

ノート一覧を取得してフィルタリングすることで、部門ごとの利用状況を可視化したり、運用ツールから状態を確認したりできます。さらに環境によっては、音声概要やポッドキャスト生成をAPIからトリガーし、他システムへ結果を連携するワークフローも構築できます。

こうした操作を組み合わせることで、UI操作に依存しないNotebookLM運用を実現しやすくなります。

利用に必要なGoogle Cloudサービスと前提条件

NotebookLM Enterprise APIを利用するには、まずGoogle Cloud上にプロジェクトを作成し、課金設定を有効化する必要があります。あわせて、組織としてGoogle WorkspaceやCloud Identityなどを導入し、ユーザーやグループをディレクトリで管理していることが前提になります。

そのうえで、NotebookLM Enterpriseのライセンスを組織ドメインのユーザーに付与する必要があります。

APIを呼び出すためには、サービスアカウントやOAuthクライアントなどの認証情報を作成し、適切なIAMロールを付与します。ノート作成や共有設定の変更など、操作内容ごとに必要な権限が異なるため、権限設計を丁寧に行うことが重要になります。

また、ネットワーク制御やログ管理、監査など、一般的なGoogle Cloud運用と同様のガバナンスも求められます。

料金モデルとチーム利用に向くケース

NotebookLM Enterprise APIの利用には、ユーザーライセンス費用と、Google Cloudのリソース利用に応じた課金が発生します。

一般的には、ユーザー数や保存するデータ量、APIリクエスト数などに応じて費用が変動するモデルになります。そのため、短期間だけ少人数で試す用途よりも、継続的に利用する中〜大規模チームでの活用に向きます。

研究開発やコンサルティング、カスタマーサポートなど、日常的に大量の資料を扱う組織ほどメリットが大きくなります。一方で、個人開発や小規模チームの簡易な自動化であれば、コストや運用負荷が見合わない場合もあります。

自社の規模やワークフロー、必要な自動化レベルを整理したうえで、Enterprise API導入の妥当性を検討することが大切です。

NotebookLM Enterprise APIの始め方と設定手順

NotebookLM Enterprise APIの始め方と設定手順

NotebookLM Enterprise APIを実際に利用するには、Google Cloud側の初期設定や認証まわりの準備を段階的に進める必要があります。

本章では、「プロジェクト作成と課金・サービス有効化のステップ」「認証情報とサービスアカウントの設定」「ノート作成を行うサンプルリクエストの流れ」の三つの観点から、NotebookLM Enterprise APIの始め方を解説します。

プロジェクト作成課金有効化サービス有効化のステップ

NotebookLM Enterprise APIを使うには、まずGoogle Cloudコンソールで専用のプロジェクトを作成する必要があります。

次に、そのプロジェクトに請求先アカウントを紐づけ、課金を有効化します。

課金が有効になったら、NotebookLM Enterpriseで利用する関連APIやサービスを順番に有効化します。あわせて、組織として利用するドメインやユーザー管理の設定を確認し、NotebookLM Enterpriseを使える状態にしておきます。

必要に応じて、管理用と検証用など用途ごとにプロジェクトを分けることで、運用や請求の管理がしやすくなります

ここまで完了することで、後続の認証設定やAPI実行を行うための基盤となる環境が整います。

認証情報の準備とサービスアカウントの設定

次のステップとして、APIを安全に呼び出すための認証情報を準備します。

まず、Google Cloud上でサービスアカウントを新規作成し、NotebookLM Enterpriseの操作に必要な権限を付与します。ノートの作成や共有設定の変更など、実行したい操作に応じて、最小限のIAMロールを割り当てます。

アプリケーションから利用する場合は、このサービスアカウントに対応する認証情報を発行し、安全な場所に保管します。可能であれば、キーの直接配布ではなく、より安全な認証方式を採用することが望ましいです。

認証情報と権限の設計を丁寧に行うことで、組織のセキュリティポリシーに沿った形でAPIを利用できます。

ノート作成を行うサンプルリクエストの流れ

準備が整ったら、実際にノートを作成するAPIリクエストの流れを確認します。

まず、サービスアカウントの認証情報を使ってアクセストークンを取得し、HTTPリクエストのヘッダーに付与します。次に、NotebookLM Enterprise APIのノート作成用エンドポイントに対して、タイトルや説明などを含むJSON形式のリクエストボディを送信します。

必要であれば、紐づけたいドキュメントやタグなどの情報も同時に渡します。レスポンスでは新しく作成されたノートのIDやメタデータが返ってくるため、後続の取得や共有設定変更で利用できるように保存します。

この一連の流れをサンプルとして押さえておくことで、自社のワークフローに合わせたノート作成処理を組み込みやすくなります。

一般向けNotebookLMをAPI的に活用する代替アプローチ

一般向けNotebookLMをAPI的に活用する代替アプローチ

一般向けNotebookLMには公式APIがないため、外部システムと本格的に連携したい場合は、周辺サービスや他のAI APIを組み合わせて擬似的なAPI利用を設計する必要があります。

本章では、「Gemini APIやVertex AIでNotebookLM風ワークフローを再現する方法」「ZapierやMakeなどノーコード連携でNotebookLMに自動でソースを流し込む」「Apifyなど外部サービスを使ってWeb情報をNotebookLM用に前処理する」の三つのアプローチから、一般向けNotebookLMをAPI的に活用するための現実的な方法を解説します。

Gemini APIやVertex AIでNotebookLM風ワークフローを再現する方法

Gemini APIやVertex AIを使えば、NotebookLMと同様に自分の資料を前提に要約や質問応答を行うワークフローを構築できます。

まず、PDFやテキスト、スプレッドシートなどのドキュメントをCloud Storageやデータベースに保存します。次に、ドキュメント検索とGeminiの推論を組み合わせたRAG構成を取り、関連箇所だけを抽出してから回答させます。

プロンプトでは「指定したコーパスだけを根拠に答える」よう明示することで、NotebookLMに近い振る舞いを実現できます。フロントエンドには独自のチャットUIや社内ポータルを用意し、認証やログ取得を自社要件に合わせて実装します。

このように、NotebookLM本体を拡張するのではなく、GeminiとVertex AIでNotebookLM風の体験を再現する考え方が重要になります。

ZapierやMakeなどノーコード連携でNotebookLMに自動でソースを流し込む

ZapierやMakeを使えば、公式APIがなくてもNotebookLMに読み込ませるソースを自動で用意できます。

たとえば、RSSの更新やフォーム送信、メール受信などをトリガーにして、コンテンツを自動でGoogleドキュメントやスプレッドシートに保存します。NotebookLMのノートにこれらのファイルを紐づけておけば、ユーザーは常に最新の情報を前提に要約や質問応答を行えます。

Makeを使う場合は、複数サービスをまたいだ分岐や集約処理を視覚的に組み立てられるため、部署ごとに異なる入力経路を一つのノートに集約しやすくなります。

このように「外部サービス→Googleドライブ/Docs→NotebookLM」という流れを自動化することで、疑似的なAPI連携に近い運用が可能になります。

Apifyなど外部サービスを使ってWeb情報をNotebookLM用に前処理する

Web上の情報をNotebookLMで活用したい場合は、Apifyなどの外部サービスを使って事前にデータを整形すると効率的です。

Apifyのクローラーや各種アクターでニュースサイトやブログをクロールし、記事タイトルや本文、URLなどを構造化データとして取得します。取得したデータをGoogleドキュメントやスプレッドシートとして書き出し、NotebookLMのノートにソースとして追加します。

必要に応じて、要約や重複排除などの前処理をApify側で行っておくことで、NotebookLMには整理済みのコーパスだけを渡せます

こうした「Webスクレイピング→整形→Googleドライブ→NotebookLM」というパイプラインを組むことで、一般向けNotebookLMでも高度な情報収集フローを実現できます。

非公式NotebookLM APIサービスを利用する際のポイント

非公式NotebookLM APIサービスを利用する際のポイント

非公式NotebookLM APIサービスは、公式APIの代わりにNotebookLM的な機能を外部から呼び出せる手段として注目されています。

本章では、AutoContent APIなどNotebookLM API代替サービスの特徴や仕組み、運営主体や料金体系から見た利便性とリスクのバランス、さらに利用規約やコンプライアンスの観点で事前に確認しておくべきポイントを整理して解説します。

AutoContent APIなどNotebookLM API代替サービスの特徴

AutoContent APIのようなサービスは、記事やWebサイト、動画URLなどを入力として、要約やポッドキャスト、スタディガイドなどを自動生成できるAPIを提供します。

NotebookLM本体では用意されていないエンドポイントを、外部から叩けるかたちでラップしてくれる点が特徴になります。多言語対応や、会話形式の音声コンテンツ生成、ZapierやMakeと連携しやすいREST APIなど、ワークフローに組み込みやすい機能を備えているケースが多いです。

Apifyのようなサービスでは、Webをクロールして構造化データに整形し、NotebookLMで扱いやすいGoogleドキュメントやスプレッドシートに変換する仕組みを提供します。個人開発の「NotebookLM API」系サービスでは、URLやテキストを送るだけで、バックエンド側でNotebookLMを利用した処理を代行する形のものもあります。

いずれもGoogle公式ではなく、「NotebookLM的な処理を外部から利用しやすくする仲介レイヤー」として位置づけられている点を押さえておく必要があります。

利便性とリスク運営主体料金のチェックポイント

こうした代替サービスを利用すると、公式APIがなくてもNotebookLMに近い処理を自動化できるという大きな利点があります。

開発者は自前でブラウザ操作を自動化する必要がなく、REST APIやノーコード連携を通じてワークフローに組み込みやすくなります。一方で、運営主体はスタートアップや個人、海外事業者などさまざまであり、サービス継続性やサポート体制にばらつきがあります。

料金も、月額固定+クレジット制、従量課金、無料枠付きのサブスクリプションなど、多様なモデルが採用されています。

想定するユースケースでリクエスト数や生成量がどの程度になるかを試算し、長期的なコストを見積もっておくことが重要になります。また、事業の信頼性や資本背景、問い合わせチャネルの有無なども確認し、自社の業務でどこまで依存してよいか慎重に判断する必要があります。

利用規約やコンプライアンス観点で確認しておくべき点

非公式NotebookLM APIサービスを導入する前には、必ずNotebookLM側とサードパーティ側の規約を確認することが重要になります。

まず、自分が使っているNotebookLMアカウントに適用されるGoogleの利用規約やWorkspaceのポリシーを確認し、自動化や外部連携の扱いを把握します。ブラウザ操作のスクレイピングや逆コンパイルに近い手法でNotebookLMを操作する仕組みは、規約違反にあたる可能性があります。

次に、サードパーティサービスの利用規約やプライバシーポリシーを読み、アップロードしたデータの取り扱いや学習への再利用の有無を確認します。保存場所や保存期間、第三者提供の有無、削除リクエストへの対応などが、社内のセキュリティ基準を満たしているかどうかをチェックします。

これらを踏まえたうえで、機密性の高いデータを流すのか、検証目的のデータだけにとどめるのかといった線引きを決めて運用することが大切です。

まとめ

本記事では、NotebookLMのAPI提供状況やEnterprise版APIの特徴、代替アプローチを整理し、用途に応じた現実的な活用方法を解説しました。

NotebookLMは、個人向けには公式APIがなく、Enterprise版ではノート管理や音声生成を中心とした組織向けのAPIが提供されています。

Gemini APIやノーコードツール、Apifyなどを組み合わせることで、一般向けNotebookLMでもAPI的なワークフローを構築できますが、非公式サービスの利用時には料金や運営主体、規約・コンプライアンスへの配慮が欠かせません。

今後のシステム連携やワークフロー設計の参考として、本記事の内容を踏まえながら、自社に最適なNotebookLM活用方法を検討してみてください。

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この記事を書いた人

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備管理を担当。業務の傍ら、独学でプログラミングを習得し、Webライターとしても複数メディアで執筆経験を積む。

現在は、生成AIとプログラミング学習を融合した教育系コンテンツの企画・執筆を行い、「ChatGPTを使った学習支援」や「初心者のためのAI活用術」に関する記事で月間1万PV超を達成。

「プログラミング学習の挫折をゼロに」を理念に、技術の背景知識だけでなく「なぜつまずくのか」「どうすれば継続できるのか」にフォーカスした実践的な情報提供を重視している。

現在は双子の子育てにも奮闘中。将来、自身の子どもたちがこのブログを通じてテクノロジーの面白さに触れられるような家庭発・未来志向型の学びメディアの構築を目指す。

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