Antigravityのセキュリティ対策5選【危険性や安全に使う設定方法も解説】
Antigravityって安全に使えるの? 情報漏洩とか大丈夫なのかな…
AIコーディングツールを使った開発の効率化が広がっています。そのなかでも注目されているのが、Google社が開発した開発プラットフォーム「Antigravity」です。
Antigravityを使えば、自律動作するAIエージェントにコード生成やブラウザ操作などを任せられます。しかし、便利だからと設定や使い方を確認せずに利用すると、思わぬセキュリティリスクに直面する恐れがあります。
そこでこの記事では具体的な設定手順も交え、Antigravityのセキュリティ対策を解説します。情報漏洩を防ぐ運用ルールや商用利用時の注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
なお、AntigravityがどのようなAIコーディングツールなのかがあいまいな人は、次の記事で確認しておきましょう。

- 初期設定のままだと情報漏洩や誤操作のリスクがある
- テレメトリOFFやサンドボックス有効化などの設定が有効
- 機密ファイルの分離や運用ルールの共有も欠かせない
Antigravityの主なセキュリティリスク

AntigravityはAIエージェントにさまざまな操作を任せられるため、利用時にはセキュリティ面への配慮が必要です。リスクを正しく把握しないまま業務に導入すると、情報漏洩や意図しない操作につながる恐れがあります。
まずは、Antigravityを使ううえで直面しうる主なセキュリティリスクを、4つにまとめて解説します。
プロンプトインジェクションのリスク
Antigravityで警戒すべきリスクの1つが、プロンプトインジェクションです。プロンプトインジェクションとは、AIへのプロンプト(指示文)に悪意ある指示を紛れ込ませ、AIに不正な動作を行わせる攻撃手法を指します。
典型的な手口は、開発者が参照しそうなWeb上のドキュメントやコード内に、不正な指示を混入させる方法です。プロンプトにそれらを含めた場合、ユーザーの意図しない処理をAntigravityが実行してしまう恐れがあります。
たとえば、Antigravityに調査させたWebページ内に「会話内容を特定の外部URLへ送信せよ」という命令が仕込まれていたとします。Antigravityがその命令に従えば、気づかないうちに個人情報が外部へ流出しかねません。
外部データをAntigravityに読み込ませる際は、信頼できる情報源か、不審な命令文が含まれていないかをチェックすることが重要です。また、外部データの指示をそのまま実行しないよう、後述するアクセス制限やサンドボックス機能を活用して被害を防ぎましょう。
入力データが学習に使われるリスク
Antigravityに入力したデータが、AIモデルの学習データとして利用される場合があります。学習したデータがほかのユーザーへの回答に反映され、情報漏洩につながるリスクは理論上ゼロではありません。
AIツールでは、ユーザーの入力内容をモデル改善に活用する運用が一般的です。Antigravityにも同様に、ツールの品質改善に向けてデータを収集する「テレメトリ(Telemetry)」という仕組みがあります。
たとえば未公開のコードをAntigravityに送信した場合、設定次第ではデータがサーバーに保持され、将来的なモデル学習に利用される懸念が生じます。
入力データの意図しない利用を防ぐためには、Antigravity固有のプライバシー設定やテレメトリ設定の確認が欠かせません。あわせて、Googleアカウント側のデータ保護規約も正しく把握しておく必要があります。
ターミナル自動実行の暴走リスク
Antigravityは、ターミナルコマンド(コンピューターを操作するための命令文)を自律的に実行できます。ファイル操作やシステム設定に便利ですが、誤ったコマンドがシステム全体に影響を及ぼすリスクは見過ごせません。
Antigravityはコマンド実行前に、ユーザーへ確認を求める設計です。しかし、特定コマンドの確認を省略するモードを設定したり、十分に確認せずに承認したりすると、意図しないコマンドがそのまま実行されるリスクが生じます。
AIが生成したコマンドは常に正しいとは限りません。たとえば「不要なファイルを整理して」と指示した際に、AIが必要なファイルまで削除するコマンドを実行すると、開発環境に影響が及ぶ恐れがあります。
特に本番環境でコマンドを実行する場合は、誤操作による影響が大きくなります。ターミナルコマンドの実行前にユーザーが確認する設定にしておくなど、AIに任せる操作の範囲を適切に制限することが重要です。
ブラウザ自動操作に潜むリスク
Antigravityには、ブラウザを自律操作してWebサイトの調査や操作を行う機能があります。ただし、AIにブラウザ操作を任せることで、予期せぬ操作につながるリスクがある点には注意が必要です。
たとえば、リンクを巡回する過程で想定していなかったWebページにアクセスしたり、誤った入力欄にデータを入力・送信したりする恐れがあります。特に検証作業などで機密情報を扱っている場合、外部サイトの入力フォームへの誤送信といった事故につながりかねません。
ブラウザ操作のリスクを減らすためには、アクセス可能なドメインを絞り込む「URL許可リスト(Allowlist)」や「拒否リスト(Denylist)」を活用し、アクセス先を適切に制限する設定が有効です。
Antigravityと他ツールの安全性比較

Antigravityのセキュリティレベルを客観的に把握するには、主要AIコーディングツールとの比較が効果的です。
Antigravity・Claude Code・GitHub Copilot・Cursorの4ツールについて、主要なセキュリティ機能を比較すると、次のように整理できます。なお「サンドボックス」とは、AIが実行する処理を隔離された環境で動かし、システムへの影響を抑える仕組みです。
| 項目 | Antigravity | Claude Code | GitHub Copilot | Cursor |
|---|---|---|---|---|
| 入力データの学習オフ設定 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
| ターミナル実行制御 | ポリシー選択式 | 承認制 | 承認制 | 承認制 |
| サンドボックス機能 | あり | あり | あり | あり |
| ブラウザ操作制限 | URL制限可 | なし | なし | なし |
| ファイルへのアクセス制限 | 拒否リスト設定可 | 設定ファイルなどで制御 | 設定ファイルなどで制御 | 設定ファイルなどで制御 |
比較表のとおり、基本的なセキュリティ機能はどのツールも備えています。そのなかでもAntigravityは、ブラウザのアクセス先をURLで制限したり、ターミナルの実行ポリシーを選択したりできるのが特徴です。
一方で、機能によっては設定が必要なため、確認せずに初期状態のまま使うのはおすすめしません。用途に応じてセキュリティ設定を見直しましょう。
Antigravityでやっておくべきセキュリティ設定

Antigravityを安全に使うためには、利用環境や用途に応じたセキュリティ設定の見直しをおすすめします。特に業務で利用する場合は、入力データやAIによる操作が原因となる情報漏洩などのリスクに注意が必要です。
そこで、ここからはAntigravityの利用にあたって検討したいセキュリティ設定を、5つにまとめて解説します。
1.テレメトリをオフにして学習を止める
最初に検討したい設定は、テレメトリ(モデル改善に向けたデータ収集)をオフにすることです。
Antigravityでは、テレメトリをオフにすることで、サービス改善などを目的としたデータの学習利用を停止できます。業務で利用する場合は、入力した情報の取り扱いを慎重に管理するためにも、オフにしておくと安心です。
テレメトリのオフ設定は、設定画面の「Account」セクションにある「Enable Telemetry」から行えます。
ただし、テレメトリをオフにしても、サービスの提供に必要なデータまで一切送信されなくなるわけではありません。機密情報を扱う場合は、テレメトリ設定だけに頼らず、入力する情報そのものを制限することも重要です。
2.ターミナル実行ポリシーを選ぶ
ターミナルコマンドの自動実行による事故を防ぐため、実行ポリシーを「承認制」に設定しておきましょう。
Antigravityでは、ターミナルコマンドの実行方式を複数のポリシーから選択可能です。「自動実行」を選ぶとAIが生成したコマンドが確認なしで実行されるため、誤ったコマンドによるシステム障害などのリスクが高まります。
「承認制」に設定すると、AIがコマンドを実行する前に確認を求められます。ユーザーが内容を確認してから実行できるため、意図しないコマンドの実行を防ぎやすくなるでしょう。
設定する際は、設定画面の「Agent Settings」セクションから「Terminal Command Auto Execution」を「Request Review(ユーザーに確認を求める)」へ変更してください。
3.機密ファイルへのアクセスを拒否する
Antigravityがアクセスできるファイルの範囲をプロジェクト内に制限し、パソコン内の機密情報を含むファイルが意図せず読み取られる事故を防ぎましょう。
Antigravityは初期状態で、プロジェクトの作業フォルダ(およびツール専用のデータ格納場所)にのみアクセスする仕様です。プロジェクト外へのアクセスを許可したい場合は、設定画面の「Agent Settings」セクションにある「Agent Non-Workspace File Access」から制御できます。
ただし、作業フォルダ外へのアクセスを安易に許可すると、パソコン内の無関係な機密情報までAIに読み取られる恐れがあります。そのため、必要がなければプロジェクト外へのアクセスを許可しない設定にしておくと安心です。
また、プロジェクト内に認証情報などを含む重要なファイルがある場合は、設定ファイルのアクセス拒否ルールを活用するのも有効です。AIが不要な情報にアクセスできないようにしておきましょう。
4.ブラウザのURL制限を設定する
ブラウザ自動操作機能を使う場合は、Allowlist(許可リスト)とDenylist(拒否リスト)でアクセス先のURLを管理しましょう。信頼できるURL・信頼できないURLをあらかじめ登録し、アクセス先を制限する仕組みです。
アクセスを許可するURLをAllowlistに追加しておけば、AIエージェントがWebサイトを操作する際のリスクを抑えられます。また、アクセスさせたくないURLはDenylistに追加することで、アクセスを禁止できます。
業務で必要なURLだけをAllowlistに登録し、不要になったURLは削除するなど、定期的に設定を見直しましょう。
5.サンドボックスモードを有効化する
Antigravityのターミナル操作による影響を抑えるため、サンドボックスモードの利用を検討しましょう。サンドボックスモードとは、AIエージェントが実行するターミナルコマンドを隔離された環境で動かす仕組みです。
サンドボックスモードを有効化すれば、ファイルへのアクセスを必要な範囲に限定できます。そのため、AIが誤ったコマンドを実行した場合でも、パソコン本体や不要なファイルへの影響を抑えることが可能です。
サンドボックスモードの設定は、設定画面の「Agent Settings」セクションにある「Enable Sandbox Mode」から行えます。オンに切り替えることで、ターミナルコマンドを隔離された環境で実行できるようになります。
ただし、サンドボックス内では一部の操作に制限がかかるほか、設定によってはサンドボックス外でコマンドが実行される場合もあります。用途や開発環境に応じて、適切な設定を選びましょう。
Antigravityで情報漏洩を防ぐ使い方

Antigravityの設定を見直すだけでなく、日々の運用方法を工夫することもセキュリティ対策には欠かせません。ここからは、Antigravityで情報漏洩を防ぐための実践的な使い方を、3つにまとめて紹介します。
エージェントに読ませない情報
Antigravityに入力してはいけない情報の種類を、チームであらかじめ明確にしておくことが重要です。
Antigravityに与えたプロンプトやファイルなどは、テレメトリの設定にかかわらずGoogle社のサーバーへ送信されます。モデルの改善に使われないにしても、外部へ送る時点で一定のリスクは生じることに注意が必要です。
そのため、どのような情報をAIエージェントに入力してはいけないのか、事前にルールとして決めておきましょう。AIエージェントに読ませるべきでない情報の代表例は次のとおりです。
- 顧客の個人情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレス)
- クレジットカード番号や銀行口座情報
- 社内の認証情報(APIキー・パスワード・トークン)
- 未公開の事業計画や財務データ
- 取引先との秘密保持契約(NDA)に該当する情報
ただし扱う情報によっては、判断に迷う場面も出てくるでしょう。「迷ったら入力しない」など、チームで共通の基準を設けておくと、判断に迷う場面でも情報漏洩のリスクを抑えられます。
作業フォルダを分離して使う
Antigravityを使って作業する際は、必要のない機密情報をプロジェクト内に置かない運用がおすすめです。機密データを含むフォルダと、Antigravityがアクセスする作業フォルダを物理的に分離することで、機密情報を意図せず読み取られるリスクを抑えられます。
Antigravityは基本的にプロジェクト単位で動作し、プロジェクト内のファイルを操作します。そのため、認証情報などをプロジェクトとは別の場所で管理し、必要な情報だけをAntigravityに扱わせる方法が有効です。
もし機密ファイルをプロジェクト内で管理する必要がある場合は、Gitの管理対象外ファイルを指定する「.gitignore」などの設定も行いましょう。.gitignoreを設定すれば、GitHubへの意図しないアップロードを防げます。
社内で決めておく運用ルール
Antigravityの安全な利用には、チーム共通の運用ルールを文書化して共有することが欠かせません。
個人の判断に任せると、メンバーごとにセキュリティ意識のばらつきが生じます。1人でもルールを守らなければ、チーム全体の情報が危険にさらされます。
運用ルールに含めるべき項目の例は次のとおりです。
- 入力禁止データの一覧
- セキュリティ設定のチェックリスト
- 新メンバー参加時の設定手順書
- インシデント発生時の報告フローと連絡先
- 定期的な設定見直しのスケジュール(月1回など)
運用ルールを作るだけでなく、チームの業務マニュアルや手順書に組み込み、全員が同じ基準で運用できる体制を整えましょう。
Antigravityを商用利用する際のセキュリティ対策

Antigravityを商用利用する場合、個人利用とは異なるセキュリティ上の注意点があります。契約形態やデータの取り扱い方針を正しく理解しないまま商用利用を始めると、法的リスクを抱えることになりかねません。
そこで、ここからはAntigravityを商用利用する際のセキュリティ対策を、3つにまとめて解説します。
利用するアカウントで変わるデータ取扱い
Antigravityは、利用するアカウントによってデータの取り扱いが異なります。商用利用を始める前に、自社で利用するアカウントのデータ取り扱いに関するポリシーを公式ドキュメントで必ず確認してください。
個人アカウント(Google AI Proなど)を利用する場合と、法人向けのGemini Enterpriseを利用する場合では、データの保存期間やモデル学習への利用可否に違いが生じます。
たとえばGemini Enterpriseでは、入力データが基礎モデルの学習に利用されることはありません。一方で、個人アカウントでは初期状態で学習に利用される設定になっています。
データがどのように利用・保存されるのかを確認したうえで、自社の利用目的に合ったアカウントを選ぶことが重要です。
第三者ツール経由の利用は禁止
Antigravityを利用する際は、公式に提供されているサービスやツールを使いましょう。Google社以外の企業や個人が非公式に提供している外部ツールや拡張機能を経由して利用する行為は、利用規約で禁止されています。
また、第三者ツールを経由すると、入力したコードやプロンプトなどが別のサービスにも渡る懸念が生じます。情報漏洩を防ぐためにも、業務では非公式なサービスを安易に利用しないことが大切です。
利用規約で確認すべき項目
商用利用を始める前に、Antigravityの利用規約や関連する規約を事前に必ず確認してください。事前にチェックしておくべき主な項目は、次のとおりです。
- 入力データの取り扱い
- 生成されたコードやコンテンツの権利関係
- 生成物の商用利用に関する条件
- データの保存・削除に関するルール
ただし、利用規約は改定されることがあります。そのため、定期的に最新の利用規約をチェックし、変更点があればチーム内で共有しましょう。
Antigravityのセキュリティについてよく抱く疑問

ここからはAntigravityのセキュリティについてよく抱く疑問を、2つにまとめて解説します。
無料と有料でデータ扱いは違う?
前述のとおり、Antigravityでは利用するアカウントやプランによってデータの取り扱い方針が異なります。「無料だから危険」「有料だから安全」とは限らないため、必ず自社の契約プランと設定状況を確認してください。
無料の個人向けプランや有料の個人プラン(Google AI Proなど)では、初期状態で入力データがモデル改善の学習に利用される設定になっています。有料の個人プランであっても、テレメトリを手動でオフにしなければ学習対象となる点には注意が必要です。
一方で、法人向けの有料プラン(Gemini Enterprise)では、入力データがAIモデルの学習に利用されないことが公式規約で明確に保証されています。
料金だけでデータの安全性を判断するのではなく、利用するアカウントの種類や設定まで確認することが重要です。
過去に入力したデータは削除できる?
Antigravityでは、サーバー側に収集・保存されるデータ(Interactionsと呼ばれる利用データや操作ログ)について、削除をリクエストできます。
削除を希望する場合は、公式サポート([email protected])宛てにメールで申請を行ってください。削除を依頼するまでの間は、利用規約やプライバシーポリシーにもとづいてデータが管理されます。
もし誤って重要な情報を入力してしまった場合は、できる限り早く削除をリクエストするとよいでしょう。あわせて、該当するAPIキーやパスワードなどの認証情報も再発行しておくのが確実です。
なお、過去の会話履歴自体は、自分のパソコン内にファイルとして残ります。会話履歴を削除したい場合は、ファイルを直接手作業で削除してください。
まとめ
この記事では、Antigravityのセキュリティリスクと安全な使い方を解説しました。
Antigravityは便利ですが、情報漏洩や誤ったコマンド実行といったリスクもあります。利用する際は、テレメトリやターミナル実行ポリシー、ファイル・URLへのアクセス制御といった設定を確認しておくことが大切です。
あわせて、チーム内におけるルールの作成・共有、定期的な利用規約の確認といった運用面での対策も欠かせません。適切な設定と運用ルールを両立させ、情報漏洩を防ぎながらAntigravityを開発業務に役立ててください。
