ClaudeとChatGPTはどっちがいい？違い&特徴を6つの観点で徹底比較

AI時代の先駆けとなった生成AI「ChatGPT」に続き、新たに注目を集める「Claude（クロード）」。名前を知ってはいるものの、それぞれにどんな違いがあるのかあいまいな人は多いですよね。

なかには、特徴や違いを理解したうえで、どちらを使うか決めたい人もいるはず。

そこでこの記事では次のトピック別に、ClaudeとChatGPTの違いを解説します。

特徴を踏まえたうえで、どちらを選ぶべきかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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ClaudeとChatGPTはどっちを選ぶべき？

ClaudeとChatGPTにはそれぞれ強み・弱みがあり、どちらを選ぶべきとは一概にいえません。また、どちらが向いているかはユーザーの目的や価値観にもよります。

まずは、どのような人にどちらのサービスが向いているのか、簡単に整理しておきましょう。

	こんな人におすすめ
Claude	・安全性や倫理性を重視する ・長文や視覚的なコンテンツを扱いたい
ChatGPT	・汎用性や自由度を重視する ・さまざまなテキスト情報を生成したい

Claudeはこんな人におすすめ

Claudeは、次のような人に向いています。

Claudeは安全性や倫理性を重視した設計になっており、不適切な回答を行うリスクが低いです。そのため「子どもに生成AIを体験させたい」といった安全性や倫理性を重視したいケースで有力な選択肢といえます。

機能面では、長文のドキュメントを一度に読み込んだり、視覚的なコンテンツ（図解など）を生成したりできるのも強みです。大量の文章を整理したい人や、言葉を図で可視化したい人に役立つサービスといえるでしょう。

ChatGPTはこんな人におすすめ

ChatGPTは、次のような人に向いています。

ChatGPTはテキスト生成の安定感が高く、幅広い用途に対応できます。Claudeほど倫理的な制約が厳しくないため、柔軟に表現したい人や幅広い用途に使いたい人におすすめです。

また、最近では画像生成AI「DALL·E 3」を使ったリアルな画像やイラストの生成にも対応しています。テキストに加えて画像も作りたい人には、ChatGPTのほうが適しているでしょう。

【特徴】ClaudeとChatGPTの違い

ClaudeとChatGPTは同じアメリカ発の生成AIでも、開発元や設計思想が異なります。

	開発元	設計思想
Claude	Anthropic(アメリカ)	安全かつ倫理的なAIの開発を重視
ChatGPT	OpenAI(アメリカ)	人間社会に貢献するAIの開発を重視

先にリリースされたChatGPTは、OpenAI社が人間社会への貢献を目指して開発した生成AIです。ビジネスや日常のさまざまなシーンで自然に使える汎用性があり、その会話能力の高さで世界的に大きな衝撃を与えました。

いっぽう、OpenAI社の方向性に懸念を抱いた一部の社員が設立したのがAnthropic社です。Anthropic社は、安全性や倫理性に重きを置いた生成AIとしてClaudeを開発しました。

Claudeには「憲法AI」という独自の仕組みがあり、AIが自身で倫理的な判断を下せます。このように、ClaudeとChatGPTは開発する組織や、その方向性が大きく異なっていることを把握しておきましょう。

ClaudeとChatGPTそれぞれの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【料金比較】ClaudeとChatGPTの違い

ClaudeとChatGPTの料金体系は「ブラウザ版・アプリ版」「API」の2種類で変わります。APIとは、サービスの機能やデータを公開し、外部のアプリやサービスから利用可能にする「窓口」のようなものです。

APIを介してClaudeやChatGPTを活用すれば、比較的簡単にAIチャット機能などを組み込めます。ここからは、下記の2つに分けて料金の違いをみていきましょう。

ブラウザ版・アプリ版

ClaudeとChatGPTには、ともにブラウザから使えるブラウザ版、スマートフォンに導入して使うアプリ版があります。いずれも無料で利用可能ですが、有料プランでは若干Claudeのほうが低価格です。

	無料版	有料プラン
Claude	あり	Claude Pro(月額2,482円) Claude Max(月額1万4,600円~)
ChatGPT	あり	ChatGPT Plus(月額2,943円) ChatGPT Pro(月額2万9,430円)

料金は2025年8月時点の為替レート1ドル146円をもとにした税込み価格を記載しています。

両サービスとも無料版に加え、無料版の機能を拡張した上位版や、すべての機能を最大限に活用できる最上位版を提供しています。より高度な機能や快適な利用を求める場合は、有料プランへの登録を検討すると良いでしょう。

API

2025年8月時点で利用できる最新AIモデルのAPI利用料金について、下表にまとめました。APIの利用料金で比較すると、現時点ではChatGPTのほうが圧倒的に低価格となっています。

	入力	入力(キャッシュ)	出力
Claude (Opus 4.1)	約2,190円 /100万トークン	約219円 /100万トークン	約1万950円 /100万トークン
ChatGPT (GPT-5)	約183円 /100万トークン	約18円 /100万トークン	約1,460円 /100万トークン

料金は2025年8月時点の為替レート1ドル146円をもとにした税込み価格を記載しています。

APIの料金体系は、いずれも利用量に応じて課金される「従量課金制」です。使用したトークン(テキストを分割した最小単位)の量に応じて課金され、やり取りの回数や文章量が増えるほどコストも膨らみます。

なおキャッシュとは、一定期間にわたりデータを保持し、必要に応じて再利用する仕組みです。過去のキャッシュを活用できる場合、入力が同じでも大幅にコストを抑えられます。

APIは特にビジネス向けの利用が多く、Claudeはその方向性を意識した料金設計といえるでしょう。コスト重視でAPIを選ぶなら、ChatGPTのほうが有利です。

ClaudeのAPIについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【できること】ClaudeとChatGPTの違い

ClaudeとChatGPTの最も得意なタスクはテキスト生成です。一般的な文章作成や添削、翻訳といった主要なタスクはいずれも対応可能です。それ以外のできることを掘り下げて比較してみましょう。

	グラフ 作成	表作成	図解 作成	イラスト 作成	コード 実行	データ 分析
Claude	〇	〇	〇	△	△	〇
ChatGPT	〇	〇	△	〇	〇	〇

Claudeには「Artifacts」という機能があり、生成物を可視化して表示・編集できます。これを使えば、文章で伝えたイメージに沿った図解の作成が可能です。例として、下記のプロンプトをClaudeに与えてみます。

Webサービスにおけるログイン処理の流れをフローチャートで可視化してください。
1. ユーザーがIDとパスワードを入力
2. 認証サーバーで照合
3. 一致すればログイン成功、違えばエラーメッセージを返す

Claudeの出力結果は次のとおりです。細かい調整は必要ですが、大まかに処理の流れを可視化してくれました。生成した図解は、SVGファイル形式でダウンロード可能です。

いっぽう、ChatGPTは前述のDALL·E 3によるリアルなイラストの生成が可能です。例として、下記のプロンプトをChatGPTに与えてみます。

森で焚き火を囲んで語り合う動物たちのイラストを描いてください。

ChatGPTの出力結果は次のとおりです。指示に沿ったイラストを生成してくれました。生成したイラストは、PNGファイル形式でダウンロード可能です。

このように、ClaudeとChatGPTはさまざまなタスクを処理できますが、強みがそれぞれ異なります。ChatGPTでできることを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【性能比較】ClaudeとChatGPTの違い

生成AIの性能に関する指標は幅広く、一概にどちらが高性能とはいえません。ここでは、下記の2項目に分けてClaudeとChatGPTの性能についてみていきましょう。

回答精度

生成AIの回答精度を示す指標はさまざまです。ここでは代表的な3指標をピックアップし、ClaudeとChatGPTのスコアをまとめました。現時点では全体的に、ChatGPTのほうが高い評価を得ています。

	GPQA Diamond(※1)	SWE Verified(※2)	AIME(※3)
Claude (Opus 4.1)	80.9%	74.5%	78.0%
ChatGPT (GPT-5)	89.4%	74.9%	100.0%

※1GPQA Diamond：大学院レベルの専門知識・推論能力を測る指標
※2SWE Verified：実用的なプログラミング能力を測る指標
※3AIME：数学的な推論能力を測る指標

ChatGPTの最新モデル「GPT-5」がスコアを大きく伸ばした結果、少し差が生じています。ただし、Claudeも生成AIとして高水準であることに変わりはありません。

生成AIの回答精度は日々進化しており、今後Claudeが追いつくことも十分考えられます。回答精度の数値は測定条件によって変わる場合があるため、あくまで参考値として捉えてください。

コンテキストウィンドウ

生成AIの処理容量を示す指標として「コンテキストウィンドウ」があります。コンテキストウィンドウとは、AIが一度に処理できるテキストの最大量(トークン単位)です。これが大きいほど、長文の処理に強くなります。

現時点でのコンテキストウィンドウを比較すると、Claudeのほうが大きく、長文処理に有利です。「Claude Sonnet 4」の進化により、Claudeが大幅にリードする形となりました。

	コンテキストウィンドウ
Claude (Sonnet 4)	100万
ChatGPT (GPT-5)	40万

目安として、コンテキストウィンドウが100万だと、およそ75万語の英文テキストを一度に処理できます。これは、英語の書籍およそ10冊に相当する情報量です。長文のテキスト処理は、Claudeのほうが有利だといえるでしょう。

【使い勝手】ClaudeとChatGPTの違い

使い勝手については人によっても感じ方が変わるため、一概にはいえません。そこで、ここでは「どのような機能に対応しているか」を軸に、ClaudeとChatGPTの使い勝手を比較するための情報を下表にまとめました。

	対応している機能など
Claude/ChatGPTどちらも対応	・日本語対応 ・Web検索 ・スマートフォンでの利用 ・ファイル添付 ・生成物のコピー/ダウンロード
Claudeのみ対応	・スクリーンショット機能(別画面のスクリーンショットを撮って取り込む) ・ClaudeProjects機能(やり取りをプロジェクト単位で管理) ・Artifacts機能(図解などの生成物を可視化して表示) ・GitHub連携機能(GitHub上のコードを取り込む)
ChatGPTのみ対応	・登録なしでの利用(ゲストモード) ・音声ファイルの入力

Claudeには、会話をプロジェクト単位で管理できる「Projects」など、独自の機能が豊富です。そのため、目当ての機能がある人にとっては非常に使い勝手が良いでしょう。

いっぽう、ChatGPTは特徴的な機能こそ少ないものの、基本機能はしっかり網羅しています。使い勝手は利用環境や目的によっても感じ方が変わってくるため、実際に使ってみるのが確実です。

ClaudeとChatGPTそれぞれの使い方を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【安全性】ClaudeとChatGPTの違い

生成AIの安全性は、利用にあたって気になるところです。ここでは「入力データが学習に使われるか」「不適切な質問に対応できるか」の2観点から、ClaudeとChatGPTの安全性を比較しました。

総合すると、両者とも比較的安全ですが、より高い安全性を求める場合はClaudeが有利です。

	入力データの学習	不適切な質問への対応
Claude	◎(学習しないことを明言)	◎(憲法AIによる倫理制御あり)
ChatGPT	〇(設定で学習OFF可能)	〇(特殊な手法以外は基本的に安全)

Claudeを開発するAnthropic社は、ユーザーの入力データをAIの学習に使用しないと明言しています。そのため、特別なケースを除き、情報漏えいのリスクは低いと考えられます。

いっぽうChatGPTの初期設定では、ユーザーの入力データをAI学習に使用する設定になっています。ただし、AIによる学習は設定でOFFにできるため、適切な設定さえ行えば情報漏えいのリスクは低いでしょう。

また、Claudeは前述の憲法AIを採用しているため、倫理的に不適切な質問に対しても適切に対処できます。これらを踏まえると、安全性を重視するならClaudeがより有力といえます。

ただし、Claudeだから絶対に安全とは言い切れません。生成AIには常に一定のリスクがともなうことを心にとめておきましょう。Claudeの安全性について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

今回は「ClaudeとChatGPTの違い」をテーマに、6つの観点で比較しながら解説しました。

ChatGPTは今でも安定した人気があり、その性能も向上を続けています。しかし、Claudeも日々成長を続けており、両者の生成AI競争から目が離せません。

これからClaudeやChatGPTの利用を考えている人は、今回の内容をぜひ参考にしてください。