DeepSeek APIとは?特徴・料金・使い方をわかりやすく紹介
生成AIの進化に伴い、高性能なAI機能を自社アプリや業務システムに組み込みたいというニーズが高まっています。
その中で注目されているのが、DeepSeek APIです。しかし、DeepSeek APIに興味がある方の中には以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
DeepSeek APIとは?
DeepSeek APIの使い方について知りたい
DeepSeek APIの活用例について知りたい
そこでこの記事では、DeepSeek APIに興味がある方に向けて以下の内容を解説します。
この記事を読めば、DeepSeek APIの特徴や料金プラン、導入方法、さらに効果的な活用ポイントまでが一通り理解でき、すぐにプロジェクトに活かせる知識が身につきます。これからAI機能を本格的に導入したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
DeepSeek APIとは?

DeepSeek APIは、高性能な自然言語処理(NLP)機能やコード補完機能を、アプリケーションやシステムに直接組み込める開発者向けサービスです。テキスト生成、要約、翻訳、コード生成といった幅広いタスクに対応しており、オープンソース由来の柔軟性を活かしながら商用利用も視野に入れた運用が可能です。
OpenAI APIに類似した使いやすいインターフェースを持ちながら、コストパフォーマンスに優れている点が特徴です。開発者はAPIキーを取得し、HTTPリクエストを介して各種モデルを利用できます。高性能なLLM(大規模言語モデル)を自社プロダクトに統合したい場合に、DeepSeek APIは非常に有力な選択肢となります。
利用可能なエンドポイント
DeepSeek APIでは、用途に応じた複数のエンドポイントが用意されています。
基本的な「チャット補完」エンドポイント(Chat Completion)を使えば、ユーザーの入力に対して自然な応答を生成するチャットボット機能が実装できます。また、「テキスト補完」(Text Completion)では自由形式の文章生成が可能であり、ストーリー作成や文案作成支援に最適です。
さらに、特定のエンドポイントではコード生成支援(Coderモデル)にも対応しており、プログラミングアシスタント機能を実装したい場合にも活用できます。
API設計はシンプルで、基本的にPOSTリクエストでプロンプトを送信し、レスポンスを受け取る仕組みなので、初めての方でも比較的簡単に利用を開始できます。
主な機能・モデル
DeepSeek APIでは、用途別に最適化された複数のモデルが提供されています。たとえば、標準的なテキスト生成には「DeepSeek V3」シリーズが利用され、高い自然言語理解と推論力を発揮します。
コーディング支援には「DeepSeek Coder」が用意されており、コードの自動生成やバグ修正、リファクタリング提案などに対応可能です。また、ドキュメント自動作成支援に特化した「DeepSeek Artifacts」もあり、プロジェクト資料や設計書の生成が効率化できます。
これらのモデルはすべてAPI経由で簡単に切り替え可能であり、ニーズに応じて適切な機能を柔軟に組み合わせて使える点が、大きな魅力です。
DeepSeek APIの料金体系
DeepSeek APIは、基本的に「従量課金制」を採用しており、使用したトークン(文字数に相当)に応じて料金が発生する仕組みです。プランは無料枠(Free Tier)と有料プラン(Pay-as-you-go課金)が用意されています。
無料枠では、月間数万トークン程度まで無料で利用でき、APIの動作確認や小規模テストに最適です。有料プランに移行すると、より多くのトークンを利用できるうえ、高速な応答やビジネス利用向けの優先リソース割り当てなども利用可能になります。
エンタープライズ契約では、より大規模な利用やカスタマイズオプションも用意されています。
プラン | 内容 | 料金 |
---|---|---|
無料プラン(Free) | 月数万トークンまで利用可能、制限あり | 0円 |
従量課金プラン | 使用量に応じて課金(1Kトークン単位) | 数円〜数十円(モデルによる) |
エンタープライズ | 大規模利用・カスタム対応 | 要問い合わせ |
※実際の料金単価は、利用モデル(V3、Coderなど)やプラン契約内容により変動します。
DeepSeek APIの始め方

DeepSeek APIを利用すれば、高性能なテキスト生成やコーディング支援機能を自社アプリやシステムに手軽に組み込むことができます。
しかし、利用を開始するためには、まずアカウント作成とAPIキーの取得という基本的な準備が必要です。これらの手順はシンプルですが、正しく進めることで後の開発作業をスムーズに進められます。
本章では、DeepSeek APIを使い始めるために必要な登録作業について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
アカウント作成方法
DeepSeek APIを利用するには、まず公式サイトでアカウントを作成する必要があります。
手順は簡単で、公式ページにアクセス後、サインアップボタンをクリックし、メールアドレスまたは外部認証(Googleアカウントなど)で登録を行います。登録後、確認メールが送信されるので、メール内のリンクをクリックして認証を完了させましょう。
ログイン後、管理画面(ダッシュボード)にアクセスできるようになります。基本的に登録料はかからず、無料プランからでもすぐにAPIの利用を開始可能です。なお、ビジネス利用を考えている場合は、最初からビジネスプラン向けの情報登録をしておくと後の手続きがスムーズです。
APIキーの取得方法
アカウント登録が完了したら、次はAPIキーを取得します。
APIキーは、DeepSeek APIを利用する際に必須となる「認証用トークン」です。ダッシュボードにログイン後、「API Keys」セクションに移動し、「新しいキーを作成」ボタンをクリックすると、すぐにAPIキーが発行されます。
このキーは、APIリクエスト時にヘッダー情報として付与することで、認証をクリアしサービスを利用できる仕組みです。
重要な点として、APIキーは発行後に再表示できない場合があるため、必ず安全な場所に保存しておきましょう。また、不正利用を防ぐため、不要になったキーは管理画面から簡単に無効化できます。適切な管理がセキュリティ確保の第一歩です。
DeepSeek APIの使い方

DeepSeek APIは、シンプルな構成で誰でも簡単に呼び出し・利用できるよう設計されています。特に、Pythonを使ったプログラムからの呼び出しや、curlコマンドによる手軽なAPIテストが可能なため、開発初心者にも扱いやすいのが特徴です。
本章では、DeepSeek APIを実際に使うための基本的な例と、トラブル時の対応について解説していきます。
Pythonで呼び出す簡単な例
PythonでDeepSeek APIを利用する方法は非常にシンプルです。
まず、Pythonの標準ライブラリ「requests」を使ってHTTP POSTリクエストを送信します。たとえば、リクエストヘッダーにAPIキーをセットし、エンドポイントに対してプロンプト(指示文)を含むJSONデータを送信するだけで、AIからのレスポンスが得られます。
基本的なコード例は以下の通りです。

このように、わずか数行でテキスト生成機能を呼び出すことができ、開発スピードも大幅に向上します。
curlコマンドでの利用例
curlコマンドを使えば、コーディングなしでDeepSeek APIを手軽にテストできます。コマンドラインからAPIリクエストを送信し、レスポンス内容を確認できるため、設定確認や動作チェックに便利です。
基本的なcurlコマンドの例は次の通りです。

このコマンドを実行することで、DeepSeekから生成された応答を即座に受け取ることができます。
開発環境を整える前の簡易テストや、ネットワーク・認証の確認にも役立つ方法です。初期トライアルとして非常におすすめです。
エラーが出たときの対処法
DeepSeek APIを利用していると、認証エラー(401 Unauthorized)やリクエストエラー(400 Bad Request)、使用制限エラー(429 Too Many Requests)などに遭遇することがあります。
エラーが発生した場合は、まずAPIレスポンスに含まれるエラーメッセージを確認しましょう。認証エラーの場合はAPIキーの入力ミス、リクエストエラーならJSON構造の誤りが原因であることが多いです。
また、利用上限エラーの場合は、一定時間待機してから再リクエストを行うか、プランアップグレードを検討しましょう。DeepSeekの公式ドキュメントではエラーコード一覧と対処法も掲載されているため、問題発生時には併せて参照することをおすすめします。
DeepSeek APIの活用例・ユースケース

DeepSeek APIは、高度な自然言語処理能力と柔軟なインターフェースを活かして、さまざまな分野で活用することができます。
ここでは、DeepSeek APIを使った代表的な活用例について、それぞれ具体的に解説していきます。
チャットボット作成
DeepSeek APIを活用すれば、高品質なチャットボットを短期間で開発できます。
特に「chat/completions」エンドポイントを利用することで、ユーザーの質問に自然な応答を返すインタラクティブなボットを簡単に構築可能です。FAQ対応、カスタマーサポート、社内問い合わせ対応など、幅広い用途に対応できるのが魅力です。
DeepSeekは会話の文脈保持能力にも優れており、単発回答だけでなく、複数ターンにわたる自然な対話が実現できます。さらに、プロンプト設計を工夫すれば、特定のキャラクター性を持たせたボットや専門特化型ボットも作成可能です。
開発者にとって、柔軟かつ高性能なチャットボット基盤を手軽に構築できる手段となっています。
コードアシスタント開発
DeepSeek APIの「Coder」モデルを利用すれば、プログラミング作業を支援するコードアシスタントを開発することができます。
たとえば、開発環境(IDE)内でコード補完を提供したり、エラー検出・修正提案を自動化するツールを構築したりといった応用が可能です。自然言語で「○○を実装したい」と指示すれば、即座に対応するコードを提案してくれるため、開発スピードが大幅に向上します。
主要な言語(Python、JavaScript、C++など)に対応しているうえ、簡単な説明文から関数やクラスを自動生成することも可能です。これにより、エンジニアの作業負担を軽減し、プロジェクト全体の生産性向上に貢献します。
アイデア出しツールとして活用
DeepSeek APIは、クリエイティブな発想支援ツールとしても非常に有効です。
たとえば、「新しいアプリのアイデアを5つ提案して」「○○業界向けのサービス名を考えて」といったプロンプトを投げるだけで、多彩なアイデアやコンセプトを生成してくれます。複数パターンの回答を出力させたり、指定条件(ターゲット層、トーン、コンセプトなど)を細かく指示することで、よりニーズに合った提案を引き出すことも可能です。
企画会議やブレインストーミングの場面で、DeepSeekを使えば短時間で大量の案を出し、そこからブラッシュアップしていくという効率的なワークフローが実現できます。創造性をサポートする強力なツールとして活用できるでしょう。
まとめ
DeepSeek APIは、高性能なテキスト生成やコード補完機能を手軽に利用できる開発者向けサービスです。
アカウント登録とAPIキー取得だけで簡単に始められ、Pythonやcurlを使ったシンプルな呼び出しも可能です。チャットボット作成、コードアシスタント開発、アイデア出し支援など、幅広い活用が期待できます。
料金は従量課金制を基本とし、無料枠も用意されているため、スモールスタートにも最適です。正しい使い方を理解し、DeepSeek APIを効果的に活用しましょう。