プロンプトエンジニアリングとは?例やコツ、将来性もわかりやすく解説
この記事では必要性や学習方法も交え、プロンプトエンジニアリングの特徴を解説します。
プロンプトエンジニアリングって何?
プロンプトエンジニアリングを学ぶと、どんなことに役立つの?
ChatGPTやGeminiなどの生成AIが普及し、その活用スキルはますます重要となりつつあります。なかでも、生成AIを使いこなすために欠かせないのが「プロンプトエンジニアリング」です。
しかし、プロンプトエンジニアリングが何なのか、イメージが湧かない人は多いですよね。
そこで、今回はプロンプトエンジニアリングとは何なのか、基本から解説します。プロンプトエンジニアリングの手法やコツ、勉強方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 生成AIへ送るプロンプト(指示文)を設計・最適化するスキル
- 生成AIの回答精度を高めるにはプロンプトエンジニアリングが不可欠
- プロンプトエンジニアリングの手法やコツを押さえよう
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プロンプトエンジニアリングとは

プロンプトエンジニアリングとは、生成AIに与える指示内容を設計・最適化し、期待どおりの出力を得るための手法やスキルのことです。
生成AIは、与えられた命令や条件をもとに回答を生成します。指示の伝え方が悪いと、生成AIが意図を正しく把握できず、期待する結果を受け取れません。
そこで重要となるのが、プロンプトエンジニアリングです。プロンプトエンジニアリングは、生成AIが意図に沿ったパフォーマンスを最大限に発揮できるよう促し、回答の精度向上を図ります。
AIの研究や教育を主軸に活動し、次世代のAIイノベーターやクリエイター輩出を目指している「DAIR.AI」というコミュニティは、プロンプトエンジニアリングの必要性を以下のように説明しています。
You can achieve a lot with simple prompts, but the quality of results depends on how much information you provide it and how well-crafted the prompt is.
(単純なプロンプトで多くのことを達成できますが、結果の品質は、提供する情報の量とプロンプトがどれほど巧妙に作成されているかによって決まります。)
引用:Prompt Engineering Guide
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プロンプトとは
プロンプトとは、生成AIに与える指示文のことです。たとえば、ChatGPTに「おすすめのプログラミング言語を3つ教えてください。」と指示する場合、この文章そのものがプロンプトにあたります。

生成AIの出力は、プロンプトの内容次第です。つまり、プロンプトは生成AIに意図を伝えるための「指令書」であり、その指令書を磨き上げる作業がプロンプトエンジニアリングといえます。
プロンプトの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

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プロンプトエンジニアとは

プロンプトエンジニアとは、プロンプトを設計・最適化し、生成AIのパフォーマンスを最大化する専門職です。簡単に言えば、プロンプトエンジニアリングの専門家と表現できます。
日本におけるAI研究の第一人者といわれている東京大学の松尾 豊氏は、自身の研究室で発表したレポートにて、プロンプトエンジニアの仕事を次のように定義しています。
ChatGPTのようなAIが最適な答えを返すように、プロンプトと呼ばれる指示文を開発・改良するエンジニア
引用:松尾研究室「生成AI時代の人材育成」
・質問によってAIから得られた情報を評価し、何度もAIとやりとりを繰り返す
・商品紹介やチャットボットなど、さまざまなシーンに合わせて最適なテキストを自動生成できるようにAIを調教
2022年頃に生まれた比較的新しい職業で、生成AIに関する豊富な知識や高い応用力が要求されます。その専門性の高さから、海外では高い報酬が提示されるケースも少なくありません。
プロンプトエンジニアの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。。

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プロンプトエンジニアリングは身につけるべき?

結論、下記の理由からプロンプトエンジニアリングは身につけるべきスキルといえます。
それぞれ詳しく解説します。
今後も将来性は高い
プロンプトエンジニアリングは、今後も高い将来性が見込まれるスキルです。生成AIが普及するにつれて、その価値はますます高まっていくでしょう。
生成AIは、すでに幅広いビジネスで浸透しつつあります。資料作成やアイデア出しなど、従来は人間だけで行っていた作業を、生成AIで効率化する場面が増えました。
しかし、生成AIがどれだけ進化・普及したとしても、指示を出すのは人間です。生成AIへ的確に指示を伝えるために、プロンプトエンジニアリングが欠かせません。
そのため、プロンプトエンジニアリングを身につけることは、今後のキャリア形成においても大きな価値を持ちます。どのような業界や職種の人であっても、身につけておくことをおすすめします。
スキルの証明に資格取得もおすすめ
プロンプトエンジニアリングに関する資格を取得すると、スキルを客観的に証明できます。資格は必須ではないものの、転職活動やキャリアアップの際に役立つでしょう。
また、資格対策を通して体系的にプロンプトエンジニアリングを学べるのもメリットです。プロンプトエンジニアリングのスキル証明に役立つ代表的な資格2つを、下表にまとめました。
| 資格名 | 概要 |
|---|---|
| PEP(Prompt Engineering Professional) | 生成AIの業務活用スキルを証明できる資格 |
| 生成AIプロンプトエンジニア検定 | プロンプト設計の実務スキルを証明できる資格 |
プロンプトエンジニアリングに関する資格をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

プロンプトエンジニアリングの基本要素4つ

プロンプトエンジニアリングの基本である、プロンプトの構成要素を理解しておきましょう。プロンプトは、大まかに4つの要素で構成されます。
命令
命令とは、生成AIに処理させるタスクです。生成AIの用途や目的に合わせて「何をしてほしいか」を明確に伝えましょう。命令の具体例は下記のとおりです。
- 次の英語を日本語に翻訳してください。
- 次の条件に沿ったキャッチコピーを3つ考えてください。
- 次の売上データを分析し、傾向を教えてください。
命令は、基本的にプロンプトの冒頭に入れます。まずタスクの内容を示すことで、生成AIが何をすべきかを理解できるのです。
文脈
文脈とは、タスクを処理するにあたって前提となる背景や条件です。生成プロセスに影響を及ぼす要素のため、必要な情報を漏れなく盛り込みましょう。文脈の具体例は下記のとおりです。
- プログラミング初心者にも伝わる言葉を選んでください。
- あなたは顧客ファーストなマーケティング担当者です。
- ターゲットは30代の働く女性を想定しています。
文脈を示すことで、生成AIは意図に沿った回答を出力しやすくなります。ただし、過剰な情報はかえって回答のずれを生じさせる原因にもなりかねません。
回答の精度を高めるためには、必要な情報を過不足なく設定することが重要です。
入力
入力とは、タスクの処理対象となるデータそのものです。命令に応じた具体的な素材を与えましょう。入力の具体例は下記のとおりです。
- 英語を翻訳してもらう場合:翻訳対象となる英文
- キャッチコピーを考案してもらう場合:元となる商品情報
- 売上データを分析してもらう場合:元となる売上データ
入力が不足していると、命令どおりの処理が行えません。必要な情報がすべて揃っているか、必ず確認しましょう。
出力
出力とは、期待する回答の形式や表現方法です。どのような形で回答してほしいのかを、あらかじめ指定しましょう。出力指定の具体例は下記のとおりです。
- 300文字以内でまとめてください。
- 各キャッチコピーには意味を添えてください。
- 分析結果は箇条書きで整理してください。
出力を示すことで、回答の体裁をカスタマイズできます。自分にとって最も好都合な回答の形式や表現方法を考えて指定しましょう。
プロンプトエンジニアリングの主な手法
プロンプトエンジニアリングには、生成AIから求める回答を引き出すためのさまざまな手法があります。ここではChatGPTでの実践例を交え、その主な手法を7つにまとめて紹介します。
Zero-shotプロンプティング
Zero-shotプロンプティングは、事前に回答の例を与えず、質問や指示だけを行う最も基本的な手法です。生成AIがすでに持っている知識を前提として、質問や指示に対応させます。
Zero-shotプロンプティングの例は、次のとおりです。このように、特別な前提情報を与えません。
最も面積が小さい国はどこですか?
面積の概念や各国の面積情報を与えていませんが、ChatGPTは自身の知識をもとに「最も面積が小さい国」を回答してくれました。

生成AIは、あらかじめ大量のデータによる学習を行い、豊富な知識を蓄積しています。簡単なタスクなら、それらの知識だけで処理できるため、細かい前提条件がなくても適切に回答できるのです。
Few-shotプロンプティング
Few-shotプロンプティングは、いくつかの「お手本」を生成AIに与える手法です。生成AIにルールや規則性を簡単に学ばせることで、出力の精度を高められます。
Few-shotプロンプティングの例は、次のとおりです。このように、具体例をいくつか与えます。
次のニュース見出しを「経済」「スポーツ」「エンタメ」のいずれかに分類してください。
## 具体例
日経平均株価が年初来高値を更新:経済
日本代表が決勝トーナメント進出:スポーツ
人気俳優が主演する新ドラマが放送開始:エンタメ
## 入力
自動車メーカーが次世代EVを発表
ニュース見出しの分類例を与えることで、ChatGPTは入力されたニュース見出しのカテゴリーを正しく分類できました。

Few-Shotプロンプティングは、感情や文体といった抽象的であいまいな概念を扱う際にも有効です。「期待した回答が得られない」「正確に伝えるのが難しい」といった場面で活用しましょう。
Chain-of-Thoughtプロンプティング
Chain-of-Thoughtプロンプティングは「思考の連鎖」を促す手法です。具体的な処理の道順を示すことで、複雑な思考が要求されるタスクでも生成AIが正しい回答を導きやすくなります。
Chain-of-Thoughtプロンプティングの例は、次のとおりです。このように、具体的な処理手順を示します。
Aさんの仕事が完了するのは開始から数えて何日目か、下記の処理手順に沿って求めてください。
## 前提条件
– 仕事内容:50ファイルのデータ処理
– 1日に処理できるファイル数:3.7
– 土日を除く平日に一定のペースで仕事に着手
– 月曜日から仕事を開始
## 処理手順
1. 総ファイル数を1日の処理能力で割り、仕事を完了するために必要な合計日数(小数を含む)を求めます。
2. ステップ1で求めた合計日数から、その間に挟まれる週末(土日)の日数を求めます。
3. 営業日数と週末の日数を合計し「開始から数えて何日目」に完了するかを特定します。
示した道順に沿って処理させることで、正しい回答(18日目)を導き出せました。

正しい順序で進めないと誤答につながりやすいタスクには、Chain-of-Thoughtプロンプティングを活用しましょう。ップごとにひとつずつ回答を出力しながら、最終的な回答を導くことが可能です。
知識生成プロンプティング
知識生成プロンプティングは、生成AIに前提となる知識を与えてからタスクを処理させる手法です。ユーザーが追加情報を与えることで、生成AIに足りない知識をカバーします。
知識生成プロンプティングの例は、次のとおりです。この例では「安全性が高いパスワードとは何か」という知識を与えています。
パスワード「S3cR3tP4sswOrd1234」が安全かどうか判定してください。
## 知識
下記の特徴を全て満たすパスワードは、安全性が高いといえます。
– 英大文字・英小文字・数字・記号の組み合わせで構成されている
– 長さは15文字以上である
– 推測されやすい英単語や規則性を含まない
知識を与えないと、安全性の評価は安定しません。しかし、知識を与えると一貫した評価基準のもと処理できるようになり、ほとんどのケースで「安全ではない」と判定するようになります。

とくに独自性・新規性・専門性が高い知識は、生成AIが持っていないケースが少なくありません。こうした知識が要求されるタスクには、知識生成プロンプティングを活用しましょう。
方向性刺激プロンプティング
方向性刺激プロンプティングは、ヒントを与えることで生成AIを特定の方向へ誘導する手法です。出力内容そのものではなく、出力の「方向性」をコントロールします。
方向性刺激プロンプティングの例は、次のとおりです。この例では消費者の傾向を示すことで、キャッチコピー制作の方向性を調整しています。
新たに発売するランニングシューズのキャッチコピーを3つ考えてください。
## ヒント
消費者はランニングシューズ選びで「軽さ」「履き心地」「耐久性」を重視する傾向があります。
軽さ・履き心地・耐久性に焦点を当てたキャッチコピーを提案してくれました。特定のキーワードや概念をヒントとして与えることで、生成AIはその情報を回答に反映させようとするのです。

なお、通常のプロンプトで「あなたは医者です」といった役割(ロール)を与えることも、広義的には方向性刺激プロンプティングに含まれます。
タスクの明確な方向性が定まっている場合には、方向性刺激プロンプティングを活用しましょう。
メタプロンプティング
メタプロンプティングは、生成AIに「メタ的」な視点で処理させる手法です。つまり、生成AIが自身を客観視するような立場で処理を行います。メタプロンプティングは、主に次の2種類です。
- プロンプト生成型:生成AI自身にプロンプト(どのような指示なら理想の回答を出力できるか)を考えさせる
- 自己検証型:生成AI自身の生成物が妥当なものか検証・改善させる
ここでは、プロンプト生成型の例を紹介します。
あなたは優秀なコピーライターです。新商品の魅力的なキャッチコピーを考えさせるための、優れたプロンプトを作成してください。
ChatGPTは、次のようなプロンプトのたたき台を作成してくれました。これは、ChatGPT自身が「このプロンプトなら理想の回答を出力できる」と判断したものです。

このように、プロンプトや生成物を生成AI自身に扱わせるのがメタプロンプティングです。「指示の出し方がわからない」「回答の質を高めたい」といった場面で活用しましょう。
プロンプトチェイニング
プロンプトチェイニングは、大きなタスクを複数の小さなプロンプトに分割し、段階的に処理させる手法です。前までのやり取りを踏まえ、次のプロンプトを連鎖的に送信していきます。
プロンプトチェイニングの例は、次のとおりです。このように、まず作業の流れや前提条件を示すとよいでしょう。
下記の作業ステップに沿って「テレワーク中の30代会社員」をターゲットとする新商品の企画案を段階的に立案します。
## 前提条件
– このタスクは、3段階の連続したプロセス(プロンプトチェイニング)として実行します。
– 各作業ステップで与えられたタスクを処理し、次のステップにつなげてください。
## 作業ステップ
1. ターゲット層のニーズ分析
2. ターゲット層のニーズに応える新商品のアイデア出し
3. 新商品アイデアを実現するための具体的な機能の検討
それでは、次の入力からステップ1. ターゲット層のニーズ分析を開始します。
画像のように、ChatGPTは作業手順を把握し、次のステップ1に進む準備が整いました。

プロンプトチェイニングでは、このあと続けて次のプロンプトを送信します。ステップ1として、次のプロンプトを送ってみます。
まずは、ステップ1. ターゲット層のニーズ分析を実施します。下記の条件に沿って、テレワーク中の30代会社員が抱えるニーズを分析してください。
## 前提条件
– ターゲットの仕事環境・生活習慣・課題・欲求を整理してください。
– 分析には現実的かつ具体的な例を用いてください。
## 出力
箇条書きで3~5項目程度にまとめてください。
ニーズ分析が行われるとともに、次のステップ2に進む準備が整いました。あとは、同じ要領でステップ2以降も1つずつプロンプトを送りながら作業を進めていきます。

このように、細かい単位にタスクを分割することで方向がぶれにくくなり、回答精度が高まります。一度のやり取りでは難しい複雑なタスクには、プロンプトチェイニングを活用しましょう。
プロンプトエンジニアリングで回答精度を高めるコツ

ここからは、プロンプトエンジニアリングで回答精度を高めるコツを5つにまとめて紹介します。
具体的に指示する
生成AIから精度の高い回答を得るためには、具体的な指示内容を与えることが重要です。
たとえば「プログラミングが気になる」といったあいまいな質問では、生成AIは何について答えるべきか判断できません。生成AIから追加の情報を求められてしまうでしょう。
いっぽうで「プログラミングを学ぶメリットを3つ教えて」のように指示が具体的だと、生成AIは処理すべきタスクを正確に理解できます。結果として、一度で精度の高い回答を得られるのです。
あいまいな表現を避け「何を」「どのように」してほしいのかを明確に伝えましょう。
「すべきこと」を伝える
「してはいけないこと」よりも「すべきこと」を伝えるほうが効果的です。具体的な行動が示されることで、生成AIは注目すべきポイントを限定しやすくなります。
たとえば「専門用語を使わないでください」という指示だけでは、結局どうすべきかが不明確です。それよりも「小学生にもわかる言葉を使ってください」のほうが、明確に指示が伝わります。
指示は、できる限り具体的かつ肯定的な表現で組み立てるよう意識しましょう。
フィードバックを通して改善する
生成AIから一度で完璧な出力が得られなくても問題ありません。生成AIとの対話を通してフィードバック(指摘事項)を与え、出力を改善していきましょう。
たとえば、生成AIが生成した文章が抽象的なら「もっと具体的な表現に変えてください」といった指示を与えればOKです。生成AIは、指摘事項を反映した文章を再出力してくれます。
一度で無理に終わらせようとするよりも、対話のなかで洗練させていくほうが結果として効率的です。
生成AIから理想的な回答を引き出すプロンプト作成のコツをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

視点を変えてみる
1つの指示で期待した出力が得られない場合、指示の仕方や切り口を変えてみるのも有効です。
たとえば「30代女性のニーズ」を上手く洗い出せない場合、ニーズを裏返して「30代女性が抱える悩みや不満」に焦点を当てるアプローチもあります。悩みや不満を解決する方法を考えれば、結果としてニーズを満たせるでしょう。
幅広いプロンプトを試してみることで、新しい発見や着想につながるのです。
複数の生成AIを併用する
ひとつの生成AIにこだわらず、複数の生成AIを併用するのも効果的です。
生成AIによって、それぞれ得意分野が異なります。同じプロンプトでも、ある生成AIでは上手くいかず、別の生成AIだと期待どおりの回答が得られることも珍しくありません。
たとえば、ChatGPTの回答がしっくりこない場合、GeminiやClaudeなど別の生成AIでも試してみましょう。それぞれの回答を比較検討することで、最終的により質の高い結果を導き出せます。
代表的な生成AIを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

プロンプトエンジニアリングの習得に欠かせない5つのスキル

ここからは、プロンプトエンジニアリングの習得に欠かせないスキルを5つまとめて紹介します。
自然言語処理(NLP)への基礎知識

プロンプトエンジニアリングを習得する前に、自然言語処理(NLP)の基本をしっかり理解しておく必要があります。
プロンプトエンジニアリングは対話型AIを設計するための手法であり、言語データを処理するための技術です。特定のフォーマット(プロンプト)に従って、システムとやり取りすることに重点を置いているのが特徴です。
一方で、自然言語処理は人間が使用する自然言語をAIが処理・分析する技術であり、プロンプトエンジニアリングとは目的が大きく異なります。
自然言語は、同じ言葉でも話す人や文脈によって違う意味を示すことがあり、曖昧さを含んでいます。そのため、AIで機械的に分析する場合は、高度な技術が必要です。
トークン化や構文解析などの重要な概念に関する知識を把握しておかないと、プロンプトエンジニアリングの習得は難しいといえます。
自然言語処理を利用した実例としては、
などがあり、世界中のあらゆる分野において活用が活発化されています。自然言語処理は今後さらに発展すると予想されているため、基礎知識を深く理解しておくことが重要です。
プログラミングスキル

自然言語処理のライブラリやフレームワークを使うことで、開発を効率的に進められます。ライブラリやフレームワークを扱うスキルを習得することで、開発コストの削減や生産性の向上が可能になります。
現時点でも豊富なライブラリやフレームワークが存在しますが、そのなかでも有名なものは次のとおりです。
- Natural Language Toolkit(NLTK)
- spaCy
- CoreNLP
- Transformers
- MeCab
- GiNZA
実際の自然言語処理のプロジェクトに取り組むことで、プロンプトのテストや最適化に必要なスキルや知識を磨けます。
なお、プロンプトエンジニアリングの学習と並行しながら「プログラミングも学びたい」と考えている人には、侍エンジニアの「業務改善AI活用コース」がおすすめです。このコースでは、ChatGPTの活用法やプロンプトエンジニアリングと同時に、Pythonによるデータ処理や自動化を学べます。
現役エンジニアによるレッスンや質問対応など学習サポートも充実しているため、未経験からでも挫折なくスキルを習得できますよ。
自然言語処理に用いるライブラリ/フレームワークを扱うスキル

自然言語処理のライブラリやフレームワークを使うことで、開発を効率的に進められます。ライブラリやフレームワークを扱うスキルを習得することで、開発コストの削減や生産性の向上が可能になります。
現時点でたくさんのライブラリやフレームワークが存在しますが、
などが有名です。実際の自然言語処理のプロジェクトに取り組むことで、プロンプトのテストや最適化に必要なスキルや知識を磨けます。
言語化力

効果的なプロンプトを作成するには、自分の思考やアイデアを的確にテキストとして表現する言語化力が欠かせません。
特にChatGPTなどといった文章生成AIの出力精度は、プロンプト作成者の言語能力に大きく依存します。言語的な表現の豊かさによって、AIが生成するコンテンツの質を大きく改善できることから、プロンプトエンジニアリングは理数系よりも文系人材に適したエンジニア職といわれるほどです。
今後は生成AIの進化とともに、プロンプトの形式自体が変わる可能性もあります。AIとの対話方法が、プログラミング言語から自然言語にシフトしていく流れは、今後さらに加速していくと予想されています。AIと対話する言語スキルは、今後も引き続き重宝されるでしょう。
創造力

効果的なプロンプトを作成するためには、言語化力だけでなく、創造力も必要です。創造力は、常識や既成概念にとらわれない発想によって、新しいものを作り出す能力です。創造力をもとに、さまざまなアプローチを試すことで、ユニークなプロンプトの作成が可能になります。
想像力を高めるには、実践的な経験が欠かせません。実際に機械学習のモデルを開発することで、創造力だけでなく、問題解決能力も向上できます。
プロンプトエンジニアリングの学習方法

ここからは、プロンプトエンジニアリングの主な学習方法を、2つにまとめて紹介します。
双方のメリットとデメリットを把握したうえで、自分に適した学習方法を選びましょう。
なお、簡単に各学習方法の概要を知りたい人は次の一覧表を参考にしてください。
本・学習サイトを活用した独学

本や学習サイトでプロンプトエンジニアリングを学ぶ最大のメリットは、コストパフォーマンスです。何れも数千円あれば購入(契約)できるため、すぐに学習を始められます。
一方で、本や学習サイトによる独学の場合は、不明点や疑問点が発生しても質問ができない点には注意が必要です。また、難易度が高いと、途中で挫折してしまいがちです。初心者は難易度の低いものを選んで、着実にステップアップしていくようにしましょう。
いつでも好きなタイミングでマイペースに勉強を進めたい人には、本・学習サイトを活用した独学がおすすめです。
なお、初心者におすすめの本・書籍は、「GPT4対応 ChatGPTの応答精度はプロンプトが9割」です。
プロンプトの基礎知識からGPT-4の最新情報にいたるまで、ChatGPTに焦点を当てながら、初心者向けにわかりやすく解説しています。
テンプレートを付けてChatGPTの具体的な使用方法を紹介しており、ChatGPTの実践的な入門書だといえるでしょう。電子書籍で購入できるため、スマホやタブレットで学習したい人に最適です。
なお、下の記事ではプロンプトエンジニアリングが学べるおすすめの本・書籍を詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

講座・スクールを利用した学習

未経験からプロンプトエンジニアリングを学習する人には、講座やスクールの利用がおすすめです。
講座やスクールでは、現役エンジニアなどの講師によるレッスンや質問対応といった学習サポートを受けられます。学習を導いてくれる人がいるのは心強く、挫折するリスクを大幅に減らせます。
その反面、本や学習サイトより費用が高い点がデメリットです。少しでも費用を抑えたい人は、スクールの割引制度や分割支払いなどを検討しましょう。
なお、とくにおすすめしたいスクールは「侍エンジニア」です。累計指導実績4万5,000名以上を誇る侍エンジニアでは、プログラミングや生成AIの実践的なスキルを短期間で習得できます。
なかでも「業務改善AI活用コース」では、ChatGPTやプロンプトエンジニアリングに加え、Pythonなどのプログラミングスキルも習得可能です。
挫折なくプロンプトエンジニアリングを習得し、ビジネスの飛躍的な生産性向上を図りたい人は、無料カウンセリングへお気軽にご参加ください。
また、次の記事ではプロンプトエンジニアを目指せるスクールを詳しく紹介しています。スクール選びの参考にしてください。

まとめ
今回は、プロンプトエンジニアリングの基本から学習方法まで紹介しました。生成AIを思いどおりに活用するためには、プロンプトエンジニアリングのスキルが欠かせません。
ただし、本や学習サイトを用いた独学では疑問を解消しづらく、途中で挫折する人も少なくありません。無理なく学習を進めたい人は、講座やスクールを利用しましょう。
とくに、未経験の人が学習を始めるなら、プログラミングスクールの侍エンジニアがおすすめです。現役エンジニア講師によるマンツーマン指導で、1人ひとりの学習をサポートします。
挫折せず着実にプロンプトエンジニアリングを習得したい人は、侍エンジニアの受講を検討してみてください。
