DeepSeekとChatGPTの違い!6つの観点で徹底比較

DeepSeekとChatGPTは何が違うの?
結局、どっちを使えばいいんだろう…

ChatGPT」をはじめとする生成AIが普及するなか、中国発の「DeepSeek」も急速に注目を集めています。そんななかそれぞれは何が違うのか、どちらが自分に合っているのかなどを疑問に感じている人は多いですよね。

なかには、特徴や違いを理解したうえで、どちらを使うか決めたい人もいるはず。

そこでこの記事では下記6つの観点で、DeepSeekとChatGPTの違いを解説します。

違いを踏まえ、DeepSeekとChatGPTのどちらを使うべきかも解説するので、ぜひ参考にしてください。なお、本記事の内容は2025年8月時点の情報にもとづいています。

この記事の要約
  • DeepSeekとChatGPTは一長一短
  • 生成AIを自分で拡張・制御するならDeepSeek
  • 使いやすさや安全性を重視するならChatGPT

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目次

【特徴】DeepSeekとChatGPTの違い

DeepSeekとChatGPTは、いずれもテキスト生成に特化した生成AIです。ただし、両者は開発元や公開形式、強みが異なります。

開発元公開形式強み
DeepSeekDeepSeek
(中国)
オープンソース
(内部プログラムが公開されている)
特定分野への特化・高い処理効率
ChatGPTOpenAI
(アメリカ)
クローズドソース
(内部プログラムは非公開)
自然な会話・幅広いタスクへの対応

アメリカ発のChatGPTは、豊富なリソースをもとに高度な対話能力と汎用性を実現しています。ビジネスから学習、趣味まで、幅広い用途に利用可能です。ただし、内部のプログラムは公開されていません。

いっぽう、中国発のDeepSeekはAIの内部プログラムが公開されている「オープンソース」である点が大きな特徴です。オープンソースのAIは、技術者がプログラムを自由にカスタマイズできます。

また、DeepSeekはMoE(Mixture of Experts:複数の専門ユニットから必要な一部のみを動かす手法)を採用している点も特徴です。必要な部分だけを動かすことで、負荷を抑えつつ特定分野で高い性能を発揮しやすいといえます。

いっぽう、ChatGPTは全体を常に動かす設計のため、安定したパフォーマンスを発揮しやすい傾向があります。DeepSeekとChatGPTそれぞれの特徴をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【料金】DeepSeekとChatGPTの違い

【料金】DeepSeekとChatGPTの違い

DeepSeekとChatGPTの料金体系は「ブラウザ版・アプリ版」「API(プログラムから機能を利用できる仕組み)」の2種類で変わります。

DeepSeekとChatGPTは、いずれも生成AIのAPIを提供しています。APIを使えば、独自のアプリやサービスにAIチャット機能などを比較的簡単に組み込むことが可能です。

ここからは、下記の2つに分けて料金の違いをみていきましょう。

ブラウザ版・アプリ版

DeepSeekとChatGPTのいずれも、ブラウザから使えるブラウザ版、スマートフォンにインストールするアプリ版を提供しています。これらは、いずれも無料で利用することが可能です。

無料版有料プラン
DeepSeekありなし
ChatGPTありChatGPT Plus(月額2,943円)
ChatGPT Pro(月額2万9,430円)

料金は2025年8月時点の為替レート1ドル146円をもとにした税込み価格を記載しています。

ただし、DeepSeekは2025年8月時点で無料プランのみの提供となっています。いっぽう、ChatGPTにはPlusやProといった有料プランがあり、より高度な機能を利用したい場合はグレードアップが可能です。

API

APIの利用料金で比較すると、DeepSeekのほうが圧倒的に低価格となっています。

APIの料金体系は、いずれも利用した分だけ料金が発生する「従量課金制」です。使用したトークン量に応じて費用が発生します。トークンとはテキストを分割した最小単位のこと。やり取りの回数や文章量が多いほど増加します。

またAPIの利用料金は、利用するAIモデル(内部で動作するAIの種類)によって変わります。2025年8月時点で利用できる最新AIモデルのAPI利用料金について、下表にまとめました。

入力入力(キャッシュ)出力
DeepSeek
(DeepSeek-V3)
約39円
/100万トークン
約10円
/100万トークン
約161円
/100万トークン
ChatGPT
(GPT-4.1)
約292円
/100万トークン
約73円
/100万トークン
約1,168円
/100万トークン

料金は2025年8月時点の為替レート1ドル146円をもとにした税込み価格を記載しています。

なおキャッシュとは、やり取りの内容を一定期間にわたり保持し、再利用できるようにする仕組みです。過去のキャッシュを活用できる場合、同じ入力でも料金が大幅に抑えられます。

特に高性能モデル同士で比較すると、DeepSeekのAPI料金はChatGPTと比べて約7分の1以下となっています。また、時間帯(UTC 16:30〜00:30)による割引を活用すれば、さらにコストを抑えることが可能です。

APIをコスト重視で利用するなら、DeepSeekが有力な選択候補となるでしょう。DeepSeekのAPIについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【できること】DeepSeekとChatGPTの違い

DeepSeekとChatGPTは、いずれもテキスト生成としての基本的な用途に対応しています。たとえば、文章のたたき台作成やアイデア出し、既存文章の翻訳・要約などは、基本的に日本語でも利用可能です。

ただし、得意・不得意の傾向は異なります。DeepSeekは論理的・技術的なタスク、ChatGPTは自然で読みやすい文章作成が得意です。DeepSeekとChatGPTの得意なこと・不得意なことについて、下表にまとめました。

スクロールできます
得意なこと不得意なこと
DeepSeekプログラミング、数学的な計算、論理的な思考が要求されるタスク自然な会話、創造性が求められる文章作成、最新のニュースや話題への対応
ChatGPT自然な対話、幅広いジャンルの文章生成、要約、翻訳専門性が高い分野の厳密な回答、複雑な論理パズルや数学的な証明

DeepSeekは、プログラミングや数学などで高いパフォーマンスを発揮しやすい傾向があります。ただし、AIモデルがChatGPTほど成熟しているわけではなく、会話で不自然な回答が出力されるケースも少なくありません。

いっぽうChatGPTは、翻訳や要約、日常的なやり取りなど、汎用的なタスクに向いています。ただし、複雑な論理処理や高度な専門領域では誤りも生じやすく、精度面には注意が必要です。

このように、それぞれが強みと弱みを持っています。用途に応じて適切に使い分けましょう。ChatGPTでできることをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【性能】DeepSeekとChatGPTの違い

【性能】DeepSeekとChatGPTの違い

生成AIの性能に関する指標は幅広く、一概にどちらが高性能とはいえません。ここでは、下記の2項目に分けてDeepSeekとChatGPTの性能について、見ていきましょう。

知識量

生成AIが持つ知識量は「パラメータ数」である程度推測できます。パラメータとは、AIが学習の過程で得た知識を記録する仕組みに使う変数のこと。学習に使ったデータが多く複雑になるほど、パラメータ数も増大する傾向があります。

このパラメータ数で比較すると、ChatGPTのほうが知識量は多いと考えられます。

パラメータ数
DeepSeek
(DeepSeek-V3)
約6,710億
ChatGPT
(GPT-4.1)
約数兆(推定)

参考として、ChatGPTの旧AIモデル「GPT-3.5」は、約3,550億個のパラメータを持っていたとされます。それと比較すると「DeepSeek-V3」はこの数値を大きく上回っており、オープンソースのAIモデルとしては非常に高水準です。

GPT-4.1については正確なパラメータ数が公表されていませんが、専門家の推定では数兆規模とされています。そのため、知識量においては現時点だとChatGPTが一歩リードしているでしょう。

回答精度

生成AIの回答精度に関する指標は多岐にわたります。ここでは代表的な3指標をピックアップし、DeepSeekとChatGPTのスコアをまとめました。全体的に、ChatGPTのほうがやや高い評価を得ています。

MMLU(※1)SWE Verified(※2)AIME ’24(※3)
DeepSeek
(DeepSeek-V3)
88.5%42.0%39.2%
ChatGPT
(GPT-4.1)
90.2%54.6%48.1%

※1MMLU:多分野タスクの正確性を測る指標
※2SWE Verified:実用的なプログラミング能力を測る指標
※3AIME ’24:数学的な推論能力を測る指標

ただし、いずれの指標も大きな差はありません。むしろ、後発のDeepSeekがここまでChatGPTに迫っていることは驚異的といえるでしょう。DeepSeekが今後さらに回答精度を高める可能性も十分にあります。

とはいえ、現時点ではChatGPTのほうが回答精度の面では信頼性がやや高そうです。回答精度に関する数値は、測定条件によっても変わることがあるため、あくまで参考程度に捉えておきましょう。

【使い勝手】DeepSeekとChatGPTの違い

DeepSeekとChatGPTの使い勝手について、いくつかの観点から下表にまとめました。総合すると、ChatGPTのほうが使い勝手ではやや優位といえるでしょう。

スクロールできます
登録なし
での利用
スマホ
利用
日本語対応
(受け答え)
日本語対応
(画面表示)
ファイル
添付
音声入力Web検索
DeepSeek××
(テキストのみ)

(外部ツール必須)
ChatGPT
(画像・音声も可能)

ChatGPTにはゲストモードがあり、ログインなしでも利用可能です。また、画面表示の日本語対応や画像・音声への対応など、使い勝手を高める特徴がより多く備わっています。

いっぽうDeepSeekは、利用のためにアカウント登録が必須、画面表示は日本語未対応、など課題もいくつかあります。そのため、ユーザーによっては不便さを感じるかもしれません。

とはいえ、使い勝手に関しては実際の利用環境や目的によって感じ方が大きく異なります。どちらが合っているかは、実際に試してみるのが最も確実な方法です。

DeepSeekとChatGPTそれぞれの使い方を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

【安全性】DeepSeekとChatGPTの違い

生成AIを使ううえで、気になるのが安全性です。特に、自分の入力した情報がどのように扱われるかは気になるところですよね。DeepSeekとChatGPTの安全性に関して、いくつかの観点から比較してみましょう。

総合すると、ChatGPTのほうが安全性では優れていると考えられます。

スクロールできます
学習させない設定不適切な
質問への対応
データ保存場所
(推定)
DeepSeek××(制限が弱く回避されやすい)中国国内のサーバー
ChatGPT〇(制限が比較的強固)米国内のサーバー

ChatGPTでは、ユーザーの入力をAIの学習に使わせない設定が可能です。いっぽう、DeepSeekには同様の設定がなく、入力内容が学習に使われるケースがあります。

またDeepSeekには、安全対策の甘さを指摘する声も少なくありません。海外では、ジェイルブレイク(安全制限の回避)により、DeepSeekが不適切な回答をしてしまった事例も報告されています。

なお、ユーザーの利用データは各国のサーバーに保存されると考えられます。どの国だから安全・危険とは一概にはいえませんが、海外のサーバーに保存される時点で一定のリスクがあることは把握しておきましょう。

セキュリティを重視するなら、現時点ではChatGPTのほうがより安全性が高いといえます。DeepSeekの危険性をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

DeepSeekとChatGPTはどっちを選ぶべき?

DeepSeekとChatGPTはどっちを選ぶべき?

ここまで、DeepSeekとChatGPTの違いについて比較してきました。しかし、最終的にどちらを使うべきかは、個人の用途や重視するポイントによって変わってきます。

ここからは、DeepSeekとChatGPTのどちらを選ぶべきか、サービスごとにポイントを解説します。

DeepSeekはこんな人におすすめ

DeepSeekはこんな人におすすめ

DeepSeekは、次のような人におすすめです。

  • 生成AIを自分で拡張・制御したい
  • 論理的・技術的なタスクに使いたい

オープンソースであるDeepSeekは、自分でAIをカスタマイズできるのが強みです。APIが低コストである点も踏まえると、生成AIを自分で拡張・制御したい人に向いているサービスといえるでしょう。

また、論理的・技術的なタスクを得意としているため、プログラミングや数学の計算といった用途で使う人にもおすすめです。

ChatGPTはこんな人におすすめ

ChatGPTはこんな人におすすめ

ChatGPTは、次のような人におすすめです。

  • 使いやすさや安全性を重視している
  • 幅広いタスクに使いたい

日本語表示に対応しており、学習させない設定も可能なChatGPTは、使いやすさと安全性の両面で優れています。こうした点を重視する人に向いているサービスといえるでしょう。

また、文章作成やアイデア出し、翻訳など、幅広いタスクに安定して対応できるのも強みです。ビジネスから日常利用まで、用途を気にせず使いたい人にも適しています。

ChatGPTの活用例をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

今回は「DeepSeekとChatGPTの違い」をテーマに、6つの観点で比較しながら解説しました。

生成AIの黎明期から存在するChatGPTは、やはり安定した人気があります。しかし、DeepSeekも急速に性能を高めており、今後の生成AI市場を大きく変える可能性を秘めています。

とはいえ、DeepSeekとChatGPTのいずれも万能ではありません。最終的には、自分の使い方や重視するポイントに合わせて選ぶと良いでしょう。

DeepSeekやChatGPTをこれから使いたいと考えている人は、今回の内容をぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
9年ほどITエンジニアを経験したのち、豊富な技術文書の作成経験を活かし、専業Webライターへ転身。クラウドワークスでは半年ほどでプロ認定、3年半ほどでトッププロ認定を受ける。システムエンジニア・プログラマー・テストエンジニアなどを経験しており、上流から下流まで幅広い開発工程のノウハウを習得しているのが強み。侍エンジニアブログでは、2020年から幅広い分野の執筆を担当。「挫折させないライティング」をモットーに、プログラミング初心者の方でも負担なく読める記事の執筆を心がけています。
【専門分野】
IT/システム開発/組み込み開発/アプリ開発(主にWindows)
【保有資格】
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)初級
JSTQB認定テスト技術者資格(Foundation Level)

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